【小さな話題】
アベノミクスとは何か?
4月8日のモーサテで双日総合研究所取締役副所長の吉崎達彦氏が分かりやすい解説をしておられたので、備忘録代わりにメモしておく。なお、長谷川の聞き取りによるため、一部不確か。
- アベノミクスというのは2006年、2012年にも別の意味で使われて、当時の新聞の見出しにもなっていた。2006年当時の意味は、構造改革路線の継承であり、小泉改革でやり残したことを推進しようとしたが失敗。2012年の意味は、金融改革路線。そして今回の2013年は「三本の矢」となっている。
- 「三本の矢」の特徴はひとことで言えば理念が無いこと。和洋中の豪華ディナーセットのようなもの。しかし、金融政策(日銀など)と財政(公共工事)と成長戦略(TPPなど)を三点セットにしたことで、各界から文句が言いにくくなった。
- 「三本の矢」では、最後の矢である成長戦略がどこまで成功するのかがカギ。もっとも、第四の矢として、エネルギー政策をどうするかが必要になってくる。
- 安倍総理自身は、政治的には保守派だが、金融政策ではハト派。これは、アメリカの保守派から見れば奇異にうつるかもしれない。もっとも、日本の保守政党というのは、戦前の高橋是清版「三本の矢」にも示されているように、基本的に「景気のためなら何でもする」という「DNA」をもっている。アメリカの保守派は「小さな政府(政府の介入は小さいほうがいい)」、「減税」、「規制緩和」という特徴で一貫しているが、日本の保守派は、「小さな政府よりプロビジネス」、「減税より積極財政」、「規制緩和より成長志向」として特徴づけられる。
-
この日記でも何度か書いたことがあるが、日本の政治は、単純に「大きな政府か小さな政府か」、規制緩和推進か保護か、金融緩和か財政引き締めか、というような対立軸では捉えきれないと思っていたが、今回のようなお話で、私のような素人でもその背景をある程度納得することができた。
アベノミクスは目先では、驚くほどの経済活性化をもたらしているが、長期的には後世の評価を待つほかはない。池田信夫氏が指摘されているような種々の問題点についても注視していきたいと思う。
|