じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 半田山の山麓の一部に薄い紫色の模様が出現した(写真上の黄色い園内)。5月上旬であれば、藤、もしくは桐の花と考えられるが、5月下旬のこの時期に咲くとは考えにくい。おそらく、写真下にあるようなセンダンの花ではないかと思われる。けっこう珍しい現象なので、岡大珍八景の候補になりそう。




2013年05月26日(日)

【思ったこと】
130526(土)ダイバージョナルセラピーの最近の話題(1)

 千葉県・ユーカリが丘で、ダイバージョナルセラピー関係の会合があった。朝の9時台から17時すぎまで、高齢者ケアを中心に各種高齢者施設等のスタッフなど32件に及ぶプレゼンテーションがあり、大いに勉強になった。個人情報や施設の事情に関する内容を含むため、Web日記上では具体的なコメントは差し控えさせていただく。そんななか、いくつか気づいた点を備忘録代わりにメモしておきたい。
  • エビデンスの問題:数量的に測れる部分だけに注目してしまうと全人的な視点や複合的な効果を見失う恐れがあるとは思う。とはいえ、いくら経験豊富なスタッフであっても、主観や直観に頼ることは危険。エビデンスをとることを否定するのではなく、できる多様で多元的な記録をとっていくことが必要ではないかと思う。
  • 質問紙によるアンケート(食事は美味しいか?、...)や、笑顔の表出は、状況によっては、本音が出にくくなる場合や、笑顔を見せることでよりよい待遇をしてもらえるといった道具的反応として強化される場合がある。自発的選択場面で何が選ばれるか、その行動がどのくらい続くかといった行動観察的な指標もぜひ盛り込むべきだと思う。
  • 最近は、種々の場面で「チョイス」が重視されているようであった。最も、選択というのは、選ぶ主体にとっての選択肢と、提供する側が用意した選択肢では数や種類が異なることがある。例えば手のひらに10円玉を5枚を載せて「お釣りです。どれか1枚、10円玉を取ってください。」という場合、提供者が与える選択肢は形式上5となる。しかし、選択者が単に10円を受け取るだけであれば、10円玉1枚を渡されても5枚の中から選ばされても何1つ変わることはない。いっぽう、お釣りを受け取る側がコインのマニアであれば、その中から発行枚数の少ない10円玉を探し取ろうとするかもしれない。また人によっては、綺麗な10円玉を探すかもしれない。その場合の選択肢の数は異なってくる。このあたりについては、こちらの紀要論文(初校段階)を参照されたい。
  • 今回は、「食事」に関する話題が多かった。これについては別途考えを述べることにしたい。
  • 今回はまた、「看取り」についての話題もあった。介護施設での看取りは重要な問題であるが、利用者とスタッフの数が一対一ではない以上、理想的な看取りを実現するには限界がある。その中でどういう形が最善と言えるのか、家族との関係をどうするのか、ケースバイケースで対応を考えていく必要がある。