じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
昨日の日記で、岐阜大学がすでに2005年度から敷地内全面禁煙を実施していることを取り上げた。 この大学では教室内やバス停付近に、きめ細かい注意書きポスターが貼られており、学生指導が行き届いているように思われた。もっとも、中には、えっ?そんなことまで注意しないとダメなの?という思ってしまう事項もあった。
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【思ったこと】 130801(木)日本行動分析学会第31回大会(6)健康行動への行動経済学からのアプローチ(4)まとめ 昨日に続いて、7月27日(土)午前に行われた、 27日午前の学会企画シンポ:「健康行動への行動経済学からのアプローチ」 のメモ・感想の連載4回目。 初めに、このシンポから少々脱線するが、8月1日の各種報道によれば、いわゆる「インターネット依存」になっている中学生と高校生は8.1%に上り、全国で50万人を超えるという推計を、厚生労働省の研究班が公表したという。NHKオンラインによると、インターネット依存症の診断の定義はないが、研究班は
このシンポで話題で取り上げられていた依存症は、薬物依存(お酒やタバコを含む)や病気賭博に限られていたが、これからの時代、若者のネット依存についても深刻にとらえる必要がありそうだ。 元の話題に戻るが、指定討論ではまず山口哲生氏から、経済学が行動分析に与えたものとして、
きわめて抽象的で数量化しにくい「健康」、「病気」、「延命」などを、お金や商品の価値との等価点や遅延割引でどこまで測れるのかという疑問が残った。フロアから発言の機会があった時にも述べさせていただいたが、遅延価値割引の理論が現実にマッチした応用性を持つのは、おそらく、健康食品の値段とか、保険の金額と補償内容に関する選択といった領域ではないかと思われる。というのが私の率直な感想であった。 もうお一人の指定討論者の方も、認知行動療法(CBT)の手法として
これらをふまえて、2番目の指定討論者の方は、セラピーに必要なのは「ルール支配行動」ならぬ「ルール信頼行動」であると論じられた。つまり、クライエントに対して「あるルールを信頼・期待しそれを選択したら、それが確かに強化される」という信頼感のようなものをいかに形成していくのかが大切ということである。より行動分析学的に言えば、そのルールを守る行動が強化されやすい条件を整備するだけでなく、ルールそのものを維持しつづけるためのプラスαの方策が必要ということになるかもしれない。 ちなみに、上述のルールは、必ずしも科学的に信頼できるということでなくてもよく、むしろ、信念の形成というようなものかもしれない。例えば、ある新興宗教において、「毎日1時間、お祈りをすれば天国に行かれます」というルールが示されたとする。その信者の「お祈り行動」は、信者どうしの相互強化や、教祖からの称賛などによって強化される。また、「毎日1時間」というのはそれほどコストのかかる行動でもないので比較的守られやすいだろう。しかし、上掲の議論から言えばそれだけでは不十分。つまり、その信者が、当該の宗教団体から脱会せず、「お祈りすれば天国に行かれます」という信念を持ち続けるためには、そのルールの信頼性を高め・維持していくための何らかの方策が別に必要であるということだ。これはおそらく、教祖が信者たちの前で「奇蹟」を起こすとか、他の信者のポジティブな体験を伝え聞くといったことによって形成されていくものと思われる。 次回に続く。 |