じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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2013年度版岡山大学構内の紅葉(4)
  • 写真上:岡大・南北通りのイチョウ並木。
  • 写真中:岡大・南北通りのイチョウ並木。
  • 写真下:岡大石庭の周りの紅葉。




2013年11月8日(金)

【思ったこと】
131108(金)第6回日本園芸療法学会広島大会(10)浅野理事長の教育講演(3)時間性

 昨日の日記で取り上げた、「園芸が癒やすのか?」 それとも、「園芸で癒やすのか?」という議論は、さらに、

●園芸活動は、本能的な行動と創造的活動を充足させ、人間性を向上させる

という観点から、「園芸療法によって人間性の向上をはかり、治療に活用する」という主張の是非をめぐる議論へと発展すると論じられた。もっとも、「人間性の向上」というのは抽象的かつ広範囲に及ぶものであり、そう簡単には測定できない。単なる美辞麗句、自画自賛に終わってしまう恐れがあるようにも思えた。

 続いて論じられたのが「時間性」をめぐる議論である。すなわち、園芸活動は流れすなわち「継続」を時間としてとらえるという視点であった。これに関しては私もいくつかの場で主張したことがあり、特に人間・植物関係学会岡山大会では、基調講演の前座として、園芸活動がもたらす結果はゆったりと随伴するという点で、即時的な結果で強化されるパチンコなどとは異なると主張したことがあった。

 もちろんこの時間のスパンにもいろいろなレベルがある。日本版・木を植えた男のような植林事業ともなれば50年、100年といった継続が必要となる。また一個人の植物との関わりにおいても、人間より寿命の長い樹木や盆栽の管理、数年単位の多年草の管理、一年草の世話などによって変わってくる。また、認知症が進んでいる方の場合は、前月の作業内容を忘れてしまったり、自分が世話をしている鉢花とそうでない鉢花の区別がつきにくくなることもある。但し、いずれの場合も、即時的な結果が随伴するパチンコなどと大きく異なっている点に注目する必要はあるだろう。


 次回に続く。