じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 「岡山タワー」(OHK岡山放送電波塔)のパープルライトアップはあと5日を残すのみ(11月25日まで)となった。写真は、大学構内の「岡大観音」の左手のあたりに重なるようなアングルで撮影したもの。「岡大観音」の由来については2011年5月31日の日記参照。

 なお、仏像のことは全く素人で、この像が観音像であるかどうかも未確認である。但し、十一面観音像の場合は「右手を垂下し、左手には蓮華を生けた花瓶を持っている姿であることが多い。」とされており、写真の像のお姿と一致しているように見える。




2013年11月20日(水)

【思ったこと】
131120(水)第6回日本園芸療法学会広島大会(21)個人発表/まとめ

 10月26日以来、1カ月近くにわたってこの連載を続けてきたが、今回で最終回。

 さて、大会2日目は、朝から、個人発表が行われた。但し、このWeb日記では、個人情報の保護などの理由により、個々の発表について具体名を挙げてコメントすることは差し控えさせていただく。

 全般的な印象としては、各施設等の園芸療法の活動内容がイキイキと報告され、相互の交流と励ましに役立っているように見えた反面、やはり、学術研究としては、園芸療法の効用を説くという結論導出が、実際の事例と乖離しており、エビデンスに基づいた主張に至っていないという印象を受けざるを得なかった。要するに、園芸活動の取り組み自体は具体的に報告されているのだが、結論段階になると、どこぞの園芸療法の教科書に書かれてあるような抽象的な「園芸療法の効用」が引用され、「植物との関わりによって本来の自分を取り戻したように見えた」といった抽象的で主観的な「評価」に終わってしまっているようにも見えた。これでは、まだまだ科学的な研究とは言い難く、口の悪い言い方をすれば、「「園芸療法教」の信仰を持ったおかげで、みんな幸せになりました」とか「「園芸療法教」のご本尊さまのおかげで、こんなに健康になりました」と言っているのと大して変わらないことになる。もちろん、そういう宗教っぽい解釈が悪いと言っているわけではないし、もしかしたら、日々「園芸療法教」のおつとめの一環として園芸作業に取り組んだほうが遥かにやる気が出てくるかもしれないとは思うが、医療、介護などの関連施設で公的支援を受けて実践するとなればやはり科学的なエビデンスは揃えておかなければなるまい。

 ま、そうは言っても、園芸療法の評価に関わる議論は、人間・植物関係学会が設立される以前の、2000年9月の講演会の時からずっと続いており、未だにこれといった決め手が無いのが実状かもしれない。そういう意味では、昨日まで連載の、浅野理事長の講演は、今後の実証的研究のやり方を大きく舵取りする意義があったかもしれない。