じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 「屋根部屋のプリンス」において、イ・ガクと臣下たちが現代にタイムスリップしていた期間を推測するための資料。
  • A:2012年2月25日の日付。パク・ハが青果店開業のために用意していた小切手。開業を妨害するセナによって盗み取られてしまう。
  • B:納骨堂?にあるパク・ハの実父の記録。1952年10月8日に生まれ、2010年3月21日に亡くなったとされている。
  • C:2010年2月17日。ニューヨークで撮影したヨン・テヨンとヨン・テムのツーショット写真の記録。
  • D:2012年5月18日。イ・ガクがパク・ハのために用意したマンションの契約書の日付。入居予定日なのか契約締結日なのかは不明。
  • E:2012年5月16日。イ・ガク殺害を企てたセナのナビに表示されていた「コンヌン貯水池」の地図と日付。
↓の記事参照。


2014年1月27日(月)

【思ったこと】
14027(月)屋根部屋のプリンス(8)ドラマのトリビア(2)タイムスリップ期間を推測する

 昨日の続き。今回は、このドラマに関する雑学的知識についてのメモ(その2)。

 今回は日付をめぐる話題。ドラマの最終話の冒頭のあたりで、イ・ガクと臣下3人が朝鮮時代に無事に戻れたことを喜びつつ、「ソウルでの数か月が朝鮮では一晩だったとは」と不思議がるシーンがある。このセリフから、彼らが現代にタイムスリップしていたのは数ヶ月ということが証拠づけられるが、いったい、何年何月から何月までの出来事だったのだろう。ドラマの本筋とは関係のない邪道ではあるが、画面の中から日付を探し出して推測するというのも、また1つの楽しみである。

 まず、かれらがパク・ハの屋根部屋に闖入した時期は、おおむね2012年の2月であると推定される。理由は、外の風景がまだ冬で、歩いている人は厚着をしており、木々の芽もいぶいていなかったからである。そんななか、手がかりになりそうなシーンがあった。 それは、青果店開業のためにパク・ハが用意した小切手(開業を阻止してアメリカに帰らせようとする企みのセナに盗まれる)の日付が2012年2月25日となっていた点【写真A】。但し、韓国語が分からないので、これが、小切手の発行日なのか、払い出し有効期限なのかは不明。

 なお、その後、パク・インチョル(パク・ハの実父)の二周忌でパク・ハとコン・マノク(パク・ハの継母)が納骨堂を訪れるシーンがあるが、納骨堂の記録によると、パク・インチョルは「卆 2010年3月21日」と記されていた【上の写真B】。しかし、インチョルはパク・ハがニューヨークから帰国する直前に亡くなっていることが第1話で分かっており、かつ、そののちの(本物の)ヨン・テヨンとパク・ハの出会いや、ヨン・テヨンとヨン・テムのツーショットの記録などから【上の写真C】、
  • テムとテヨンのツーショットは2010年2月17日 午後10時8分に撮影
  • パク・ハはアメリカから帰国したのは2010年2月20日(待ち合わせの日は2月19日でありその前々日にテヨンからの葉書を受け取った。)
という証拠と矛盾している。おそらく命日は3月21日ではなくて2月21日の間違い。パク・ハが2月20日にニューヨークから帰国の途につく途中に日付変更線を通過して日付が2月21日となり、対面をはたす直前に亡くなったと考えるべきであろう。

 さて、その後の季節変化であるが、
  • 第9話冒頭で、テヨンが祖母に許しを請うために土下座していた時は桜が散っていた。
  • 第13話の鎮安では桜が散り、ヒラドツツジが咲いていた。
などの風景から、季節が4月、5月と進んだことが見て取れる。

 でもっていよいよ朝鮮時代に戻る日が近づくが、上掲の写真の通り、

●写真E:2012年5月16日。イ・ガク殺害を企てたセナのナビに表示されていた「コンヌン貯水池」の地図と日付。
というように、一番最後の「コンヌン貯水池」の事件は、2012年5月16日の夜に起こっていたことがはっきりしている。マンション契約書の日付が2012年5月18日というようにそれより後になっていることが若干気になるが、これは入居予定日とでも、好意的に解釈するほかはあるまい。

 肝臓移植手術を受けたパク・ハが一週間や二週間で元の体を取り戻すとは到底思えないが、ま、そこはドラマならではの世界。パク・ハは1週間程度の入院で無事に退院し、2人だけの結婚式をあげることになる。となると、イ・ガクや臣下たちが朝鮮時代に戻ったのはおそらく2012年の5月下旬。これでちょうど3ヶ月が経過したことになる。

 このドラマが韓国で実際に放送されたのは2012年3月21日から2012年5月24日まで【毎週水曜・木曜】だっというから、放送が終わる頃の季節と完璧に一致していたに違いない。全部撮り終えて編集してから放送するのではなく、放送開始後にその続きを少しずつ撮影していったのであろう【なお、実際の撮影期間は4ヶ月であったと語られている】。

 ドラマの中では日にちの経過は重要な意味を持つが、ストーリーの展開に熱中すればするほど、それが季節変化が対応していないことの矛盾には気がつかなくなるものである。そう言えば、「冬ソナ」の場合も、ユジンとイ・ミニョンが出会ってから最終話でイ・ミニョン(チュンサン)がアメリカに向かうまでの期間はどう考えても半年以上の日数がかかるように思える。しかし季節のほうはずっと冬のまま。冬の長い寒冷地方を舞台しているかのような風景と服装である。

 次回に続く