じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 オオイヌノフグリと時計台。耐震改修工事も竣工まであとわずかとなり、工事区域を囲んでいたフェンスも取り除かれた。


2014年3月19日(水)

【思ったこと】
140319(水)コミュニティで創る新しい高齢社会のデザイン:平成22年度採択プロジェクト成果報告シンポジウム(9)ICTを活用した生活支援型コミュニティづくり(2)

 昨日に続いて、

ICTを活用した生活支援型コミュニティづくり

についてのメモ・感想。

 このプロジェクトでは他に、ワンプッシュ型の「お元気発信」と緊急通報システムを一体とした小型の発信装置、「話したい」ボタンが押された時の受け入れ体制、さらには宅配業者と連携した買い物&安否確認システム(スーパーに注文した品を500円で宅配し、配達の際に安否確認を行う)などの取り組みも行われたとのことであった。

 この研究ではアクションリサーチやフォーカス・ グループ・ インタビューの手法が適切に活用されており、この種のプロジェクトの先進例としても高く評価された。また、単なる実験的試行ではなく、成果を持続可能な体制として地域に残す取り組みも行われていた。

 いっぽう、問題点としては、まず有効性検証のエビデンスが、民生委員に対する簡単な評価(大変評価、どちらかといえば評価、どちらかと言えば評価できない、無回答)の比率と、「こういうことが行われた」事例紹介程度に終わってしまっている点が挙げられる。おそらく、報告時間が制限されていたためと思われるが、こうした取り組みの結果として、どのくらいの頻度の利用があったのか、「お元気発信」がその地域の高齢者の健康維持にどの程度プラスになったのかについてもエビデンスが示されるとよかったと思う。

 また、1つ前に報告された別のプロジェクトに関して3月17日の日記でも述べたが、この種の「お元気発信」は、マイナスの状態になっていない(=最低限、ゼロのレベルを保っている)という程度の発信であって、プラスの状態を作り出す効果はもたらしていないように思えた。高齢者の生活内容にもよるとは思うが、例えば、その日に咲いている花とか、採れた作物、見つけた野生動物、天候などを1日1件発信してもらうようなシステムにすれば、発信する側としても、何かしら社会貢献のために発信しているという実感が出てくるのではないかと思う。

 なお、「見守られる」ということに関しては、「見守られ上手は長生きの秘訣」という言葉があるいっぽう、「見守り」とはどういうことを言うのか、当事者は本当に見守りを望んでいるのか、といった質問がフロアからも出されおり、今後とも議論・検討が必要であるように思われた。

次回に続く。