じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 ソメイヨシノに替わって、八重桜や大島桜が見頃となってきた。そんななか、年々、衰退しつつも何とか花をつけているウコンザクラ(鬱金桜)が1本だけある。昨年の写真が2013年4月14日、9年前の写真が2005年4月21日の日記にあり。9年前よりは相当弱っており、幹の一部が朽ちてしまっている。


2014年4月11日(金)

【思ったこと】
140411(金)長谷川版「行動分析学入門」第1回(2)原因にもいろいろある(1)

 本日から、「ですます」体で、講義録の一部を掲載。但し、加筆修正した部分もある。


  • 1.行動の原因を明らかにするとは?
    • 1.1. 原因にもいろいろある(原因の複合性、原因はニーズによって変わる)
    • 1.2. 存在の原因と、変化をもたらす原因




1.1. 原因にもいろいろある
 行動分析学は、入門書などで「人間を中心とした生物全般の諸活動を主として環境と個体との相互作用 という 側面から探求し、行動に関する因果法則を明らかにしていこうとする学問です。」【駒沢大学・小野先生】と紹介されているように、行動の原因を明らかにする学問だと言われています。

 しかし、この意味を正確に捉えるには、そもそも「原因とは何か?」という根本問題について理解しておく必要があります。

 いきなり凶悪犯罪の事例(あくまでフィクション)を挙げて恐縮ですが、ある町内会の行事で、集まった人たちに配るカレーライスに毒物が混入させられ、最初に試食した3人のうちの1人がお亡くなりになったとします。その1人が亡くなった原因は何だったのでしょうか?

 多くの人は、それは、「犯人が毒物をカレーに入れたためだ」と答えます。じっさい、現実に起こった時には、犯人が捕らえられ、裁判にかけられることになります。犯人がそのような行為を犯さなければ犠牲者は出なかったはずですから、「犯人が毒物をカレーに入れたため」が原因の1つであることは間違いありません。

 しかし、3人のうち1人が亡くなった原因はその1つだけではありません。
  • まず、なぜ、その方がなぜ最初に試食をしたのか、つまり、カレーの準備をする係になったのか?という原因があるはずです。
  • 次に、3人のうち2人が命をとりとめたということは、亡くなった1人だけに特有の原因があったはずです。例えば、その方だけ準備で過労気味であったとか、前日から体調を崩していたとか、あるいは毒物に反応しやすい特異体質であったとか、高齢であったとか...。
  • また、犯人が混入した毒物が、近隣の農薬販売会社の倉庫から盗み出されたものであったとすると、その倉庫の防犯・管理体制が不十分であったということも原因になります。
  • さらに、もし、その犯罪の動機が、恨みによるものであったり、被害者から莫大な借金をしていたり、保険金目当てであったり、あるいは相続に絡むものであった場合は、それぞれ、その動機のもととなる固有の原因があるはずです。
 以上の例にも見られるように、通常、何かの現象は複合的な原因によって起こります。私たちは、必要に応じて、多数の原因のうちの一部に注目し、その部分に手を加えることで、問題の解決や改善をめざしていくのです。

 不定期ながら次回に続く。