じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
夕食後の散歩時、岡大・東西通りのハナミズキを見物した。街灯で勝手にライトアップされている光景もまた趣がある。 |
【思ったこと】 140430(水)長谷川版「行動分析学入門」第4回(5)オペラント行動とオペラント条件づけ(5)行動随伴性の基本(3)2つの留意点 前回説明したように、行動分析学では、原則として、オペラント行動の原因を
しかし、ここで、もう少し留意していただきたい点が2つあります。 1つ目は、「出現」とか「消失」というのは、あくまで行動遂行者の私的出来事であり、行動遂行者にとっての環境変化であるという点です。 例えば、Aさんが美術館に足を運んで絵を鑑賞する場合。行動遂行者自身をとりまく環境は変化しますが、美術館館内の展示品は不変です。Aさんが美術館を訪れた瞬間に、展示品が突然出現するわけではありません。美術館職員や他の見学者にとっては、Aさんが訪れる前と訪れた後で展示品の配置は全く変わっていません。要するに、「Aさんが美術館に出かける」という行動の直前と直後の環境変化は、私的出来事と言うことができます。じつは、行動分析学の創始者であるスキナー自身も、日本の行動分析学の草分けである佐藤方哉先生も、この「私的出来事」という考え方を強調しておられました。【こちらの論文の第3節をご参照ください。】 2つ目は、「好子」や「嫌子」と認定される刺激や出来事は、原則として、出現や消失が観察可能、できれば操作可能でなければならないという点です。この基準を曖昧にしたまま安易に「行動随伴性」を口にすると循環論(トートロジー)に陥ってしまう恐れがあります。 例えば、ある子どもが公園のブランコに熱中していたとします。もしこれを、 【 】→ブランコで遊ぶ→【楽しい=好子?】 と記述してしまったのでは、「ブランコに熱中しているのは楽しいからだ。楽しいから遊んでいるのだ」という循環論的な記述に終わってしまい、予測・制御に役立つ説明にはなりません。正しくは、 【 】→ブランコをこぐ→【ブランコが揺れる】 と記述し、どのくらいの加速度、周期で揺れるのかを測定することです。そうすれば、どういう揺れ方をした時に最も強化されやすいのかという、その子どもの行動の予測・制御ができますし、より快適なブランコの設計にも活かすことができます。 公園をジョギングする人の行動についても同じことが言えます。 【 】→ジョギングする→【楽しい】 というだけでは、「楽しいからジョギングしているのだ。」という循環論の域を出ません。行動分析学的にとらえるのであれば、まずジョギングの最中の
不定期ながら次回に続く。 |