じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



06月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
 ヒナギキョウ。カタバミ(黄花)より少し大きめの青い花を咲かせる。マツバウンランニワゼキショウとともに私が好きな最も小さな花の1つ。写真右は、ネジバナ・カタバミとの大きさ比較。



2014年6月19日(木)

【思ったこと】
140619(木)長谷川版「行動分析学入門」第10回(3)嫌子出現の随伴性による弱化(3)嫌子の起源、生得性嫌子

 今回より、第3章の「好子出現の随伴性」と対照させつつ、嫌子の説明に入りたいと思います。
  1. 嫌子の起源と多様性
  2. 生得性嫌子と習得性嫌子
  3. 確立操作
  4. トークン 般性習得性嫌子
  5. 自然随伴性と付加的随伴性
  6. 消去 弱化からの復帰
  7. 部分弱化
  8. 強化スケジュール
  9. そのほかの嫌子出現のスタイル
  10. 刺激弁別
 まず、1.の「嫌子の起源」ですが、もともとの起源は、有害なモノや出来事から身を守るという環境への適応方略にあると思われます。動物は行動しなければ適応することができませんが、中には、行動してしまったために有害な結果を招くことがあります。その場合には当然、行動を止めたほうが適応上有利となります。ところで、第3章の3.2.で好子の場合は
生物学的に必要とされる物質は、すべて好子の候補となり得ますが、身の回りに溢れているモノは、わざわざ面倒な行動をしなくても手に入るので好子にはなりません。
と述べましたが、嫌子の場合も、影響度の小さい嫌子の場合は、無視されることがあります。例えば、多少寒くても(寒さ=嫌子)我慢して外出するとか、騒音(=嫌子)が避けられないもとで勉強を続けるなどです。もっとも、有害な事象があまりにもたくさん溢れていたのでは生きていくことはできません。

 次に2.ですが、好子に生得性好子と習得性好子があるのと同様、嫌子にも生得性嫌子と習得性嫌子があります。

 生得性嫌子とは文字通り、その個体の生存や子孫の繁殖に有害となるものです。身体を傷つけるモノや出来事はすべて生得性嫌子となります。もちろん、自傷行動やマゾヒズムなどの例外はあります。

 生得性好子と同様、生得性嫌子にも飽和化はあります。痛みが続くと慣れてしてしまう現象などです。また、日頃痛めつけられているよりも、まれに痛めつけられたほうが大きな弱化をもたらすとするならばこれは遮断化とも言えます。

 次回に続く。