じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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6月16日とは別の場所にもハルシャギクのお花畑が出現している。特定外来生物(植物)の仲間なので見頃を迎える前に刈り取られる見込み。



2014年6月20日(金)

【思ったこと】
140620(金)長谷川版「行動分析学入門」第10回(4)嫌子出現の随伴性による弱化(4)習得性嫌子

 第3章3.2のところで、習得性好子について、
中性的なモノや出来事が何らかの経験によって好子になった場合、これを「習得性好子」と呼びます。別の好子の存在を前提条件として機能するような好子は「習得性好子」です。
と述べました。ここで「好子」を「嫌子」に取り替えるとそのまま「習得性嫌子」の定義となります。
中性的なモノや出来事が何らかの経験によって嫌子になった場合、これを「習得性嫌子」と呼びます。別の嫌子の存在を前提条件として機能するような嫌子は「習得性嫌子」です。
 もっとも、習得性嫌子は大部分がレスポンデント条件づけによって形成されていると考えられます。

 例えば、「コラーッ」と怒られることは多くの日本人にとって、(日本語で躾けられている)ペットのイヌにとっても習得性嫌子になっていますが、これは、幼少時に「コラーッ」という音声と同時にお尻を叩かれた(=生得性嫌子であり、かつレスポンデント条件づけにおける無条件刺激))ことによるレスポンデント条件づけによって形成されたと考えられます。

 ムカデに刺されたことのある人は、ムカデの姿を見ただけで怖がることもあります。これも、ムカデの姿(条件刺激)と刺されたこと(無条件刺激)との対提示によって形成されたと考えてよいでしょう。

 もっとも、恐怖や気味悪さに関するレスポンデント条件づけというのは、わずか1回の体験で劇的に形成されることがあります。また、そう簡単には消去(レスポンデント消去)できません。

 どのようなモノや出来事が習得性嫌子になるのかは、国策にもよります。戦争状態にある国では、敵国の旗や兵士などの写真と残虐行為の写真を対提示することによって、旗や兵士が習得性嫌子になるような条件づけが繰り返し行われます。また、ある文化の中で忌み嫌われるモノや出来事も、その集団の中で日常的に繰り返されるレスポンデントによって伝播・伝承されていくものと考えられます。

 というようなこともあり、1つの国や文化の中では、習得性嫌子はおおむね共通しています【「般性習得性嫌子」となっています】。とはいえ、あくまで個人体験として形成されるものですから、習得性好子(=価値)と同様、習得性嫌子にも相当程度の多様性があります。蛇は多くの人にとって習得性嫌子になっていますが、なかにはペットとして飼う人もいます。また、高所や閉所を怖がるとか、バスに乗っただけで気分が悪くなるとうように、特定の人に見られる恐怖症等も個人体験に由来しています。


 次回に続く。