じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 6月22日(日)は日帰りで大阪まで往復。帰りがけに乗った大阪環状線の列車は「OSAKA POWER LOOP」と称するラッピング列車となっていた。


2014年6月22日(日)

【思ったこと】
140622(日)長谷川版「行動分析学入門」第10回(6)嫌子出現の随伴性による弱化(6)自然随伴性と付加的随伴性

 好子出現の随伴性では、自然随伴性と付加的随伴性は以下のように定義されていました。】 講義録第3章の3.3.参照】
  • 自然随伴性:行動の直後に自然に伴うような随伴性
  • 付加的随伴性:第三者が結果(ここでは好子)を付加するような随伴性

 例えば、子どもがナイフで遊んでいたとします。うっかり怪我をして痛みや出血し、以後、ナイフで遊ばなくなったとすれば、自然随伴性による弱化と言うことができます。いっぽう、お母さんから「ナイフで遊んではいけません」と叱られたことで遊ばなくなったとすれば、これは母親が提示した嫌子によって弱化されたことになりますので付加的随伴性と言えます。

 好子出現の付加的強化随伴性のところでは、
初期段階において付加的な好子をうまく随伴させれば、いずれはその子どもは、数学の定理を証明することに熱中したり、趣味としてピアノの演奏を楽しめるようになります。つまり、自然随伴性だけで「自走」できるようにようになるまでの橋渡しをするのが付加的な随伴性なのです。
というようにその役割を強調しました。これに対して嫌子出現の付加的弱化随伴性は、重大・深刻な事態を未然に防ぐという役割があります。例えば、飲酒運転はしばしば重大な交通事故を引き起こします。よって、本来は、「飲酒運転→交通事故(嫌子)」という自然随伴性で弱化されるはずです。しかし、飲酒行動はきわめて強化されやすく、しかもアルコール依存になりやすいため、なかなか根絶できません。そこで、警察の取り締まりにより、飲酒運転を付加的に弱化する必要が出てきます。

 このほか、以下のようなケースでは、付加的な弱化はきわめて効果的です。
  • ゴミの不法投棄は環境汚染を招く(自然随伴性)。刑罰を付加することでそれを防ぐ。
  • 薬物依存は長期的には心身に重大な悪影響を及ぼす(自然随伴性)。刑罰を付加することでそれを防ぐ。
  • 断崖絶壁に立ち入ると、滑落の危険(自然随伴性)。そこで立ち入り禁止措置を講じて、勝手に入ろうとした人を警備員が叱責する(付加的弱化)
 もっとも、付加的弱化は、独裁国家における反体制行動の弾圧にも使われる恐れがあります。国の権力によって付加的に嫌子を与える場合には、そのような事態を招かないように、民主主義のルールを確立しておく必要があることは言うまでもありません。

 次回に続く。