じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
7月22日(火)、恒例の職員定期健診が行われた。かつては、健診の1ヶ月前から龍ノ口山などで減量・耐暑登山をしたり、直前は3食スイカを食べたりして、検査数値の改善につとめたものであるが、あまり効果が無く、最近は特段の努力をせずに受診している。写真は、最近、生協食堂で食べた昼食内容。このメニューならば大丈夫だと思うのだが、いっこうに体脂肪率も体重も減らない。 2年前の数値と比べると、身長は159.7cmから160.1cmに改善したが、体重は1kgほど増えているようであった(正確な数値は後日通知される)。このほか、視力が1.2と1.0に低下(2年前は、1.5と1.0)。 今回から有料オプションで、腫瘍マーカー検査(がん発見の補助的検査)が実施されることになった。老眼で申し込み用紙の文字がよく見えなかったので、検査希望項目に全部○をつけて出したら、卵巣がんの検査は要らないと言われた。けっきょく、検査セット料金で8000円の負担。 |
【思ったこと】 140722(火)長谷川版「行動分析学入門」第13回(12)人間と社会に関する諸問題(12)人はなぜ○○するのか? 「行動分析学入門」の授業では、毎年、1回目の授業の際に、出席確認を兼ねて、「人はなぜ○○するのか?」について、思いつくままに紙片に記していただくことになっています。2014年度の授業では、このページのいちばん下にあるような疑問が寄せられました【順不同】。 ここで、これらすべての質問にお答えする時間はありませんが、これまで授業でお話しした行動随伴性概念を用いれば、大部分の疑問については答えが十分に見つけられるのではないかと思います。 その際に留意すべき点は、講義録第1章の1.1から1.3に述べたように、
以下の質問から具体的にいくつか取り上げてみますと、 まず、「人はなぜ空腹になるのか?」という問いについては、存在原因は、生物学的適応にそれを求めることができます。「空腹」は緊急にエネルギーの補給を必要としている状態であり、もしそのような感覚が無ければ、動物は必要に応じて食物をとることができません。そういう感覚のある動物が結果として生き残ったと言ってよいでしょう。次に増減原因ですが、これは、すでに取り上げた「確立操作」の要因、遮断化と飽和化で説明できます。前回の食事からの時間経過、前回の食事量、体を動かした量、日常の食事時刻のリズムなどを把握することで、空腹の増減原因について説明を尽くすことができるでしょう。 次に、「人はなぜギャンブルをするのか?」。存在原因は、おそらく、人類が、採取や狩猟といった形で食物を獲得していく中で、不確実な結果に強化されやすい性質が保持された(そういう遺伝子を持った人たちが生き残った)ためであろうと推測されます。いっぽう、増減原因は、すでに取り上げた、変比率スケジュール(VRスケジュール)【講義録3章その2をご参照】や、価値割引の理論などによって説明できます。 もう1つ、「人はなぜ働くのか?/なぜ仕事をするのか?」については、人間は原則として集団で生活しなければならず、そのさい、相互にサービスを提供して支え合うことが求められる、というのが存在原因となるでしょう。もちろん、資源(土地、建物、エネルギー資源など)を占有している大富豪は別です。いっぽう、増減原因は、好子出現の随伴性による強化、あるいは、好子消失阻止の随伴性による強化であり、どれだけ一生懸命働くのかは、雇用システムや賃金体系といった強化スケジュールとして説明することができます。 このほか、以下の疑問の「増減原因」に関わる大部分は、行動随伴性によって説明を尽くすことができます。 あと、いちばん下のほうにある、「人はなぜ生まれたのか?」、「人はなぜ死ぬのか?」は、存在原因に関わる説明が求められるため、行動随伴性では答えを示すことができません。もっとも、出生率低下をどう食い止めるかとか、寿命を延ばすためにどういう行動が必要かといった増減原因であるなら、大いに有用です。人の生死の理由については、人生の重大問題として深く追求する人がいる一方、あまり大した問題ではない、「生まれたあとで自分が形成されただけで、別の国や別の時代に生まれていれば別の自分ができただけ」、「人は死ぬのが当たり前。限られた年数をどう生きるのか、だけ考えればいい」というように気楽に受け止めている人もいます。私はもっぱら後者のタイプですが、定年退職後にゆとりができたら、「けっきょく、自分とは何だったのか?」について瞑想の日々を送ってみたいという願望もあります。 ということで、今回をもって、授業でお話しする内容はすべて終了。講義録のほうは、若干の補遺やインデックスを書き加えて完成の予定です。 このうち補遺のところでは、
次回に続く |