じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 140803(日)最近の将棋界 日曜日昼前に NHK杯将棋「香川愛生・女流王将vs熊坂学・五段」 を視た。【こちらに詳細な観戦記あり。】 NHK杯は、一部の棋士(A級、B1級、前年度優秀者など)が2回戦からシードとなっており、1回線としてはこれが最後の対戦となった。香川・女流王将の強烈な攻めが続き、一時はこれで詰みかと思ったが、終盤に緩い手が出て逆転されてしまった。 さて、このところ、将棋界では、若手の台頭が目立つようになってきた。 まずは、今期、A級に昇級した広瀬章人・八段(1987年生まれ)の活躍である。すでに第一人者となっている渡辺明・二冠(1984年生まれ)とともに、羽生・森内の次の時代を担うと期待される。 次に、糸谷哲郎・六段(1988年生まれ)の大健闘が注目される。竜王戦では行方尚史・八段を破って、羽生名人との決勝三番勝負に挑むことになった。NHK杯の過去の対戦では、糸谷は羽生に分が悪いようだが、これに勝って森内・竜王との対戦となれば竜王奪取も夢では無いような気がする。公式戦勝率のほうも、現在、9勝1敗で、一位タイ。 もう一人、毎年連続昇級でも知られる豊島将之・七段(1990年生まれ)も注目される。現在B級1組で2勝1敗となっているが、今後の成績次第ではいよいよ来期はA級入りが実現。そうなると、名人戦挑戦も夢では無い。 個人的にはこのほか、岡山出身の菅井竜也五段(1992年生まれ)も応援したい。現在8連勝中で、連勝数のトップ。 ところで、最近、電王戦での、プロ棋士敗退が話題になっている。2013年は1勝3敗1持将棋、2014年は1勝4敗というようにプロ棋士が負け越している。もっとも、この結果だけを見て、人間はコンピュータより弱いとは言い切れないように思う。私が聞いた限りでは、最近の将棋ソフトは、自分で計算して最善手を探し当てるのではなく、プロ棋士の棋譜をデータベースにしていて、過去のよく似た盤面における最善手を選ぶようにプログラムされているとのこと。であるならば、お手本はあくまで人間であるからして、人間を超えたということにはならない。要するにそういった思考スタイルでは、人間にできないような謎解き、例えば、未解決の数学の定理を説くということは不可能であろう。もちろん、将棋、囲碁、オセロ、チェスなどはいずれも、初手からの場合の数が有限であるゆえ、いずれ、ものすごく高速で、莫大なメモリを搭載したコンピュータが現れれば、ずっと先の手まで場合を尽くした上で最善手を選ぶということはありうるとは思う。ま、その場合でも、思考ゲームの魅力が無くなるわけではないが。 |