じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 9月23日の早朝の空は、完全に晴れた部分と雲に覆われた部分に二分されており、その境界上にはモーニング・グローリーのようなロール状の雲の帯ができていた。なお写真はパノラマモードで撮影したために曲線状になっているが、じっさいはまっすぐに地平線のほぼ端から端まで直線状に伸びていた。写真左上は同時刻の気象衛星写真。台風16号と秋雨前線によって形成された雲の北東の端が岡山上空近くにあったことが分かった。


2014年9月22日(月)

【思ったこと】
140922(月)日本心理学会第78回大会(13)ACTとマインドフルネス(8)体験の回避とタートルOS

 昨日の続き。今回から、再びACTを含めた総合的な話題に戻る。

 9月20日にも記したが、Kabat-Zinnのように、マインドフルネスを治療技法としてではなく「生き方」そのものとして実践していこうという研究者もおられるということであったが、率直なところ、いま現在の私は、1日数十分の瞑想に時間を割くヒマがあったら、散歩にでも出かけて豊かな自然とふれあうか、園芸作業に没頭したいという気持ちのほうが強い。また、散歩中は、「様々なものに対する観察反応の生起頻度を上げる」という点ではマインドフルだが、豊かな自然との積極的な関わりやpositiveな受け止めを大切にしていることからみて、「無評価的に注意を払う。今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく注意を向ける」というマインドフルな態度とは明らかに異なっているようにも思えた。もっともこれは、現時点での私が、比較的健康であり、深刻な「体験の回避」(Experiential Avoidance)を体験していないためであるかもしれない。しかし近い将来、自分自身や家族が重い病気にかかるとか、突然の災害や事故に見舞われた時には、そのような悪循環に陥る恐れは十分にあるので、今のうちに学んでおくことは決して無駄ではないように思う。

 ちなみに「体験の回避」は、ある個人が、
  • 特別な内的体験(身体感覚、感情、思考、記憶など)と接することを渋り続けるときに生じる現象
  • その経験の形態や頻度、さらにその経験が生じる文脈を変えようとする
というように定義されている。場面逃避、過度な飲酒、自殺未遂といった行動が回避行動に含まれており、行動随伴性にあてはめると、こうした行動を行うことで、negativeな内的体験は消失するため(=嫌子消失の随伴性)、ますます強化され、その悪循環によって重篤な心身障害に陥る【チュートリアルのスライド資料からのメモ】。なお、ネットで検索したところ、こちらに比較的分かりやすい論文が公開されていることが分かった。

 なお、ACTでは、しばしば亀の甲型の「タートルOS(operating system)」に言及されるが、あれを最初に提案したのは、ヘイズではなくて武藤さんであったようだ。残念ながら、どういう経緯で亀の甲を思いつかれたのか、
  • 京都市内のどこぞの池で、甲羅干しをしている亀を見て着想されたのか?
  • ウユニ湖の亀甲文様の塩原がヒントになったのか?
  • 津山線の駅舎がヒントになったのか?
は、不明である。

 次回に続く