じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 図書館3階のセミナー室で、心理学領域の本年度の「卒論・修論直前発表会」が行われた。今回は、会場の使用が16時までになっていたこともあり、1人あたりの発表時間は10分間であったが、みな、うまく時間内にまとめていた。パワーポイントスライドもそれぞれ見やすくなっており、私が作っている授業用スライドなどは足元にも及ばない感じであった。

 まだ金曜日と来週水曜日に授業があるが、これで文字通りの多忙な「師走」も山を越えた。



2014年12月18日(木)

【思ったこと】
141218(木)衆議院選挙結果のおさらい

 12月14日に衆議院選挙が行われたが、このところ、政治には殆ど無関心で(←経済を除く)、当然、開票速報などには全く興味が無く、翌朝のモーサテで結果の概要を初めて知った程度であった。もっとも、このままでは、日本国民として恥ずかしいので、これを機会に、備忘録を作っておきたいと思う。

 まず、獲得議席数は、こちらの表に示す通りで、主要政党の議席数は以下のようになっていた。
  • 自民党 小選挙区223、比例代表68、合計291、公示前より-4
  • 民主党 小選挙区38、比例代表35、合計73、公示前より+10
  • 維新の党 小選挙区11、比例代表30、合計41、公示前より-1
  • 公明党 小選挙区9、比例代表26、合計35、公示前より+4
  • 共産党 小選挙区1、比例代表20、合計21、公示前より+13
  • 次世代の党 小選挙区2、比例代表0、合計2、公示前より-17
  • 生活の党 小選挙区2、比例代表0、合計2、公示前より-3
  • 社民党 小選挙区1、比例代表1、合計2、公示前と変わらず
  • 無所属 小選挙区8、合計8、公示前より-7


 こうして見渡してみると、与党の自民・公明は選挙前と変わらず。共産党が議席倍増、次世代の党は大幅減となっている。民主党は議席を10も増やしているが、前回大敗したことと、海江田代表が落選したこともあって、「躍進」とは評価されていないようである。

 いずれにしても、この選挙が自民・公明の与党の「勝利」であったことは間違いないが、「勝利」であったということは、必ずしも「国民から圧倒的支持を得た」ということにはつながらないように思う。というのは、現行の、小選挙区を主体とした選挙の仕組みが多数党に議席を多く配分するようにできているからである。もちろん、このことは必ずしも不公平とは言えない。いろいろな国の事例を見ても、議会で与党が多数を占めていないような国では、政治が不安定となり、また、多数派工作のために政党間でいろいろな駆け引きが行われることで、真に国民の利益につながるような長期的な政策が実現できないというデメリットをもたらすからである。

 ま、それはそれとして、念のため、比例代表での党派別得票数・得票率を見ると、
  • 自民党 17,658,916 | 33.11%
  • 民主党 9,775,991 | 18.33%
  • 維新の党 8,382,699 | 15.72%
  • 公明党 7,314,236 | 13.71%
  • 共産党 6,062,962 | 11.37%
  • 次世代の党 1,414,919 | 2.65%
  • 社民党 1,314,441 | 2.46%
  • 生活の党 1,028,721 | 1.93%
ということは、いくら「与党の自由民主党が単独で絶対安定多数の266を超える291議席、公明党は選挙区で全員が当選するなどして現行制度下で最多の35議席を獲得し、合わせて議席数の3分の2以上を維持した。」といっても、投票所から出てきた人の3分の1しか自民党を支持していないということになる。

 ということは、与党が絶対安定多数を占めていて長期政権の可能性があるとはいえ、重大な失策があったり、国民の生活に大きな影響を及ぼすような議論が起こった時には、一気に野党勢力が議席を取り戻し、政権が交代することもありうる。

 さて、日頃、時事問題に無関心ということもあって、私の頭の中では、いまいったいどういう新党が作られているのか、どういう新党は解散したのか、あるいは他の党派と合流したのかは、十分に整理できていない。まして、それらの党派の代表がどなたなのか、もともとどの党派から分かれてできたものなのかは十分に整理できていない。

 改めてネットで調べてみると、まず、今回議席を大幅に減らした「次世代の党」は、「政党「日本維新の会」から石原グループが分離して、2014年に設立。」となっていた。そう言えば、今回の選挙では石原慎太郎氏が「落選」したというニュースを耳にした。もっとも、これは、石原氏が引退を前提に東京ブロック比例代表単独で立候補、しかも登載名簿は自身の当選が困難な9位であったというから、おそらく、比例候補を1人でも当選させるための得票増を狙ったものと思われた。

 もう1つ、今回の党派別から名前が消えていたのがみんなの党であるが、リンク先にもあるようにこの党は11月28日に解散している。この党の政策は、全体としては米国共和党的な「小さな政府」志向のように思っていたが、その後いろいろ党内の対立があり、何がこの党のオリジナルなのかが分かりにくくなっていた。ちなみに、元代表の 渡辺喜美氏は、みんなの党解散により無所属で立候補したが落選された。無所属のため、比例代表復活当選はなかった。

 なお、もうお一人、大物の落選として報じられた海江田・民主党代表(当時)であるが、この方の場合は、比例代表の名簿上は1位であったものの、同じ1位の長島昭久氏、松原仁氏、菅直人氏の3名よりも惜敗率が低かったための落選となったようだ。菅直人氏の惜敗率は84.6%、海江田氏の惜敗率は83.3%であったので、菅直人氏との争いでの「ダブル惜敗」であった。ちなみに、小選挙区での海江田氏の得票は89232票、菅直人氏の得票は89877票となっていて、その差は645票の僅差であった。もっとも現行制度では惜敗率が採用されているので、海江田氏のほうが得票が多かったとしても当選ということにはならない。

 このほか、興味深いのは、沖縄県の結果である。ウィキペディアによれば、「沖縄県では、翁長雄志沖縄県知事を支持し、普天間基地の県内移設に反対する統一勢力「オール沖縄」を掲げる野党、無所属候補が全員当選し、現職の自民党議員が全員落選。しかし比例九州ブロックにて比例復活を果たし、沖縄県での立候補者が全員当選するという異例の事態となった。」。じっさい、九州ブロックの当選者を見ると、自民党比例代表当選者8名のうち4名は沖縄選挙区からの復活、さらに維新の党の下地氏も沖縄1区からの復活当選であるため、沖縄県からの衆議院議員は小選挙区選出の4名と合わせて9名となった。なにはともあれ、沖縄県民の声が国政に届きやすくなったことは良いことだと思う。