じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 1月26日の岡山は、日中断続的に雨が降り、24時間積算降水量は21.0ミリとなった。雨の日に気になるのは自転車の傘さし運転である。また、最近、岡大西門のスクランブル交差点を渡る際、自転車通行者は自転車を降りて徒歩で渡るべきではないかという指摘が出ている。私自身もこれを機会に、この交差点を横断する際には自転車を降りることにした。



2015年01月26日(月)


【思ったこと】
150126(月)オックスフォード白熱教室(10)素数の出現パターン

 昨日の続き。

 第1回では素数の特徴についていくつかの興味深い話題が取り上げられた。まず、以下の考察に役立てるために、3桁以内の素数を以下に引用しておく。
2 3 5 7 11 13 17 19 23 29 31 37 41 43 47 53 59 61 67 71 73 79 83 89 97 101 103 107 109 113 127 131 137 139 149 151 157 163 167 173 179 181 191 193 197 199 211 223 227 229 233 239 241 251 257 263 269 271 277 281 283 293 307 311 313 317 331 337 347 349 353 359 367 373 379 383 389 397 401 409 419 421 431 433 439 443 449 457 461 463 467 479 487 491 499 503 509 521 523 541 547 557 563 569 571 577 587 593 599 601 607 613 617 619 631 641 643 647 653 659 661 673 677 683 691 701 709 719 727 733 739 743 751 757 761 769 773 787 797 809 811 821 823 827 829 839 853 857 859 863 877 881 883 887 907 911 919 929 937 941 947 953 967 971 977 983 991 997
素数の特徴の1つは、n番目の素数がいくつになるかをf(n)で表せないという点にある。もっとも、私自身は、そのこと自体はあまり不思議に思っていなかった。というのは、素数というのは定義上、自然数の中から、規則的な合成数【f(n)で表せる数】を取り除いた残りカスのようなものであり、合成数が無限にある以上、その残りを単独のf(n)で表すことは原理的に不可能ではないかと思っていたからである。もちろん、合成数というのは「2つ以上の素数の積で表すことのできる自然数」であるからして、素数なくして合成数は存在してないということはよく分かっている。ここで言いたいのは、いったんaという数を与えた時に生成されるf(n)=a・nというa倍数の列が規則的であるということだ。

 例えば、森を眺めると、一本一本の木々の枝振りはきわめて規則的である。しかし、枝葉を取り除いた余白の部分には規則性はない。素数の分布もこんなものだろうと思っていた。

 ここで、1から始まる自然数を○で表し、2〜4の倍数を2行目以下の数列においてそれぞれ●で表してみる【これを「倍数nのリボン」と名付ける】。なお、画面の幅の関係でここでは1〜80までの数のみを示す。でもって、各数列を縦に揃えて●の有無をチェックし、縦にとったときに2回以上塗りつぶされた位置のみを●で表すと、6行目のようになる。

【1のリボン】○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
【2のリボン】○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
【3のリボン】○○●○○●○○●○○●○○●○○●○○●○○●○○●○○●○○●○○●○○●○
【4のリボン】○○○●○○○●○○○●○○○●○○○●○○○●○○○●○○○●○○○●○○○●
---------------------------------------------------------------------------------------------
【      】○○○●○●○●○○○●○○○●○●○●○○○●○○○●○●○●○○○●○○○●

上記の6行目において、塗りつぶされずに残っている数は左から順に、
1、2、3、5,7、9、10、11、13、14、15、17、19、21、22、23、...
となる。ここでさらに、「5のリボン」、「6のリボン」というように、自然数の増加に合わせて1つずつリボンを付け加えていっても最後まで塗りつぶされないのが素数ということになる【但し、「1」は定義上、その中から除かれる。】

 上記の方法は、実質的にはエラトステネスの篩と同じ操作をしているだけのことであり、リンク先には理論的考察も記されている。

 もっとも、篩(ふるい)ではなくリボンを用いることにはそれなりのメリットがある。上記のリボンのうち、「3のリボン」や「4のリボン」を1つだけ左右に動かすと、最下段で塗りつぶされる数は変わるはずである。【但し「2のリボン」を「2n+1のリボン」に取り替えた場合は、すべての奇数が塗りつぶされるため、当然素数も塗りつぶされる】。要するに、「3のリボン」や「4のリボン」を「3n+1のリボン」とか「4n+3」のリボンに取り替えたら、すべての自然数を●で塗りつぶせるのか、それとも、相変わらず塗りつぶせない「素数モドキ」が残るのかということである。このことは確か、高校生時代にも考えたことがあったが、受験準備に追われていつの間にか脳の片隅に追いやられたままになってしまった。

 なお、今述べた「3n+1のリボン」とか「4n+3」のリボンといった発想は、平方剰余と原始根の法則に発展する。こちらに、
 フェルマーは,
  「pが4で割ると1余る素数ならば,p=x^2+y^2となる自然数が存在する」
  「pが8で割ると1または3余る素数ならば,p=x^2+2y^2」
  「pが8で割ると1または7余る素数ならば,p=x^2−2y^2」
  「pが3で割ると1余る素数ならば,p=x^2+3y^2」
といった事例が紹介されていた。【ウィキペディアに関連項目あり。】


 次回に続く。