じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
最近の岡大石庭。砂紋(箒目)を管理している職員の方と立ち話をする機会があったが、最近は、龍安寺石庭にならって直線主体の模様を入れているという。直線のほうが難しいとか。なお、1月13日頃に出現した盛砂(立砂)は、何者かによるいたずらだったらしい。 また、せっかくの石庭の中に足跡をつけたり、中には自転車を乗り入れる者があったため、最近になって立ち入りお断りの掲示が取り付けられた。 |
【思ったこと】 150303(火)競馬や投資に必勝法はあるのか? 少し前のことになるが、外れ馬券購入費は「経費」 最高裁、確定へというニュース(2月18日付け)が目にとまった。裁判そのもの経過は、2014年5月9日記事に記されている通りで、要するに、単なる娯楽としての馬券購入ではなく、継続的・反復的で、ほぼ全レースにわたっており利益を得るためにシステマチックに馬券を購入した場合は資産運用としてみなすことができ、外れ馬券の支出分は必要経費と見なされることがあるらしい。なお最高裁の正式な判決は3月10日に言い渡されることになるという。 ま、それはさておき、この裁判で被告側が提出した資料によれば、2005〜2009年の5年間で、この元会社員は約35億986万円の馬券を購入し約36億6493万円の払い戻しを受け、1億5507万円の差益を獲得したという。(回収率は104.4%)。私が驚いたのは、金額の大きさはもちろん、驚異的な回収率の高さにある。中央競馬の払い戻し率は約75%だというから、単に運がよかったというだけでこんなに収入を得ることはできない。どういうカラクリがあるのか考えてみた。 まず思いつくのは、馬券の払い戻しの倍率と、当該の馬が勝利する確率との乖離である。本命と目された馬に投票が集中すると、大穴の馬の倍率は、その馬が勝てるかもしれない確率以上に有利な倍率になることがありうる。となると、それぞれの馬の勝利確率より配当確率のほうが高い馬券を買い続けていけば、原理的には儲けが出るはずであると期待される。 上に述べたのはあくまで、確率的な期待に過ぎないが、連勝式の複雑な組合せから適切な選び方をすれば、レースの結果がどうあれ、ほぼ確実に収支がプラスになるような購入法というのもあり得るとは思われる。 とはいえ、私自身は競馬には全く関心が無く、競馬場に足を運んだことは一度も無いし、馬券を買ったことも一度もないので、これ以上のカラクリは分からない。 いっぽう、株式などの投資手法の1つして難平(ナンピン)買いというのがある。特定企業の株だけを対象とした場合は経営破綻ですべてを失う危険があるが、インデックス型の売買であれば、いくらなんでもゼロまで下がることはないので、長期間辛抱すれば必ず利益が得られるようには思う。 もっとも、上記の競馬も、株式などの難平買いもそうだが、この手法を継続させるためには、とてつもなく巨額な資金が必要になる。 これを端的に示すのが、 コインを投げて表が出たらさらに続行。一度でも裏が出たらそこで打ち切り。賞金は、2のn1乗(nは連続して表が出た回数)円。たとえば1回だけ表が出たら1円、2回連続なら2円、3回連続ならば4円。という事例である【2001年3月12日の日記ほか】。 要するに、ギャンブルというのは、単に期待値が大きければお得というわけではない。コイン投げの賭けで言えば、1ゲームで100万円以上の賞金を初めて獲得するまでに平均何ゲーム必要かも考えなければならない。ゲーム回数の平均値が大きくなればなるほど、必要とする参加費用も莫大になる。 元の話に戻るが、競馬で大もうけした元会社員については以下のような記事があった【夕刊フジ。一部改変】 大阪地裁の判決などによると、男性が利用していたのはJRA−VANやJRDB(電子競馬新聞)が提供する競馬データ。過去10年分のデータを独自に分析し、回収率に影響を与えるファクター、前走着順や血統、騎手、枠順、牡牝、負担重量など約40項目のデータを採用したうえで、回収率の高い馬をあぶり出す計算式を作成。狙い目を決め、自動的に購入するシステムを開発した。これ以上の詳細は不明だが、基本的には上述の通り、心理的要因によって左右される払い戻し倍率と、客観的な勝利確率との乖離を利用したものと思われる。もっとも、このようなアルゴリズムで馬券を購入する人たちが多数にのぼるようになれば、結果的に乖離は縮小し、本来の75%程度の回収率に収束するものと思われる。株式の難平買いも同様で、大勢の投資家が下がった時に買増という手法をとろうとすると、下がるはずの株価は持ち直し、ボラティリティは低下。そうなると、価格変動を利用した運用は儲けが全く出なくなるはずだ。 |