じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 3月4日の岡山は、低気圧通過後、上空に寒気が入り、夕刻には長い飛行機雲が同時に10本以上出現していた。岡山上空は、東(羽田、伊丹、関空)からやってくる飛行機の航路の分岐点となっているため飛行機雲の角度もさまざま。


2015年03月4日(水)



【思ったこと】
150304(水)世界長者番付と所得格差

 アメリカの経済誌『フォーブス』は3月2日、2015年版の世界長者番付(The World's Billionaires)を発表した。世界第1位の億万長者はマイクロソフト創設者のビル・ゲイツが2年連続で1位、日本の1位はファーストリテイリングの柳井正で202億ドル、世界ランクでは41位となっている。

 10億ドル以上の個人資産を持つ富豪は全世界に1826人となり、国籍別ではアメリカ合衆国の536人が最高で、全体の約29%を占めているというが、興味深いのは、日本人が意外と少ない点である。

 ウィキペディアのランキングによると、ビリオネアの人数の国・地域別トップ20は、
  • 1 アメリカ 536
  • 2 中国 213
  • 3 ドイツ 103
  • 4 インド 90
  • 5 ロシア 88
  • 6 香港 55
  • 7 ブラジル 54
  • 8 イギリス 53
  • 9 フランス 47
  • 10 イタリア 39
  • 10 カナダ 39
  • 12 台湾 33
  • 13 トルコ 32
  • 14 韓国 30
  • 15 スイス 29
  • 16 オーストラリア 27
  • 17 日本 24
  • 18 スウェーデン 23
  • 19 インドネシア 22
  • 20 スペイン 21
となっていて、日本は17位、24人に過ぎず、国全体の経済規模のわりにはビリオネアがきわめて少ないことが分かる。

 最近、トマ・ピケティの講演や著書を通じて、所得格差のことが話題になっているが、上記の数字を見ると、世界全体の中では日本の所得格差は相対的に小さいようにも見えてくる。じっさいネットで検索しても、日本のトップ1%は年収1500万円前後、トップ5%も年収1000万円くらいと指摘しているサイトもあるようだ【未確認】。

 ピケティ先生のパリ白熱教室の講演は、全6回分録画・ダビングしてあるものの、このところずっと忙しくて視る機会が無いが、伝え聞くところでは、世界の経済学者と連携し300年に及ぶ納税記録を調査、そのデータに基づく主張というだけあって、なかなか説得力があるようだ。もっとも、大部分の賛同者は、自分の生活実態やメディアから伝えられる大金持ちの暮らしぶりなどを通じて格差の拡大を直観し、共鳴しているだけに過ぎないという批判もあるようだ。

 経済学については全くの素人なので、責任ある見解を述べることはできないが、そもそも収入とか、資産価値というものは測りにくい部分があり、また、自身の生活でどう活用されているのかによっても変わってくるように思われる。

 まず、収入を比較するにあたって、給与所得者と自営業では、評価のしかたが違っているように思える。まだ子どもたちが小さかった頃、児童手当のことが話題になったことがある。我が家の場合は、当時の所得制限にひっかかって支給を受けられた無かったので、金持ちのように見られてしまった。ところが、親たちの中には、豪華な3ナンバーの車に乗り、週末にはゴルフを楽しんでいるというような暮らしをしていても、児童手当をもらっているという人が居た。専門的なことは分からないが、かなりの収入が必要経費として認められるため、所得は低く申告することができるような仕組みになっているらしい。

 次に、自分でその家・土地に住んでいる人と、家賃や地代を収入としている人では、資産的な価値は全く異なるように思う。都心の一等地エリアに30坪ほとの土地を所有し、生まれた時から同じ家に住んでいるという人にとっては、そのまま住み続けるか、それともその土地を売って得た収入をもとに新たな資産活用をめざすのかによっては全く異なってくる。ピケティ先生は、格差の世襲化も問題視しておられるようだが、都心で先祖代々、同じ土地に住み続けている人たちの場合は、それを売って儲けようとしない限りは、必ずしも莫大な世襲資産にはならないように思える。

 もう1つ、世代間格差も指摘されているようだが、私のように定年退職まであと数年となった者としてはとにかく、老後の生活保障が気になるところである。年金制度がしっかりしていて、なおかつ、物価の上昇が低レベルであれば老後は安泰であるが、それが信用できないとなれば、少しでも自力で生活資金の確保に努めなければならない。物価上昇目標2%などと言われると、将来への不安がますます高まり、消費拡大などにつなげる余裕はない。

 ピケティ先生の「パリ白熱教室」の視聴が完了したら、また続きを書きたいと思う。