じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 3月10日の岡山は、強い寒気が入り、積雪こそ無かったものの一時、吹雪模様となった。デジカメでは雪の降る様子はなかなか撮りにくいものだが、建物の手前の白い点々が雪のかたまりとなっている。

 なお、この寒気により、気温のほうもぐんぐん下がり、3月10日19時に0.0℃、その後は氷点下となり、3月11日6時42分にはマイナス3.2℃まで下がった。2月9日のマイナス2.3℃を下回りこの冬(春?)一番の寒さ。但しこの記録は岡山の観測点が岡大構内に移転して以降のことであり、移転前のイオンモール近隣であればこれほどには下がらなかった可能性がある。


2015年03月10日(火)



【思ったこと】
150310(火)イスラム金融

 月曜日のモーサテで、イスラム金融の話題がちょっとだけ取り上げられていた。イスラム圏では、イスラム法により利子をとることを禁止しているため、これに代わる独特の金融システムがあるという。ウィキペディアによれば、
シャリーアの規定に則って無利子の金融をおこなう「無利子銀行」が初めて試みられたのは、1950年代のパキスタンにおいてであった。このころパキスタンでは、イスラムの教義を国家運営に適用しようとする動きが強まっていた。
 1950年代末にパキスタンの一地方で、敬虔なイスラム教徒地主たちを中心に無利子の預金を集め、貧困なイスラム教徒農民に農業改善資金を無利子(運営経費を賄うため少額の手数料を徴収)で貸し出す無利子銀行が開設された。この銀行は、無利子で融資を受けたい希望者は数多くいたのに対し、無利子で預金してくれるものは一回だけはお付き合いで預金してくれるだけで、後がつづかなかったことが主因で、やがて運営に行きづまり、崩壊してしまったといわれる」
という歴史により、新たなシステムが考案されたようである。ウィキペディアのリンク先によれば、大きく分けて、出資型(ムダーラバ、ムシャーラカ)、掛け売り型(ムラーバハ)、賃貸型(イジャーラ、イジャーラ・ワ・イクティーナ)といったいくつかのタイプがある。

 ネット上ではしばしば、ムラーバハ(ムラバハ)という掛け売り型(購買代行型)を例に説明が行われている。例えば、Aさんが家を建てるためにB銀行に1000万円の融資を依頼する場合、日本であれば、Aさんはローンという形で借金をして銀行に利子を含めて返済をすることになる。これに対して、ムラーバハでは、B銀行が一旦その住宅を買い取り、これに金利分を上乗せした金額でAさんに転売する。Aさんはその購入代金を分割して返済するという仕組みである。但し、返済が遅れても延滞利息を請求することはできないそうだ。

 では、有利子の債券は発行できないのかと思ったが、これについてもスクークという仕組みがあるようだ。リンク先によれば、
シャリーアにおいては利子を取ることが禁止されているため、投資家が発行体に金銭を貸し付けるという一般の債券はシャリーア適格でないと考えられる。そのため、利子以外の形で収益を投資家に配分するためのスキームとしてイジャーラ(物の賃貸借)契約を裏づけとするもののほか、ムシャーラカ(共同経営)スキームを用いるものなど、各種のスクークが発行されている。


 もし、日本でイスラム金融の制度を導入したらどういうことになるのだろうか。

 まずは、国債の大量発行とか、日銀による大量購入といった緩和策は原理的にとれない。また、老後の資金を債券や定期預金で運用することもできない。とはいえ、投資はできるようなので、債券を投資信託にして、その売買差益で実質的に利益を得ることはできるのかもしれない。

 住宅ローンのように、購買を代行できる場合はよいが、教育ローンの場合は、子どもを購入するわけにはいかないのでどうするのだろうか。銀行が子どもに出資するという形をとるのだろうか。

 一般的な借金について言えば、自分の家にあるモノを質屋さんに持って行って、質入れでお金を借りるのではなく、それを買い取ってもらい、それがどうしても必要な時には、より高い金額で買い戻すという方法をとることができそうだ。

 ということで、利子という概念が無くても、それに代わるシステムを整備すれば、資本主義経済はそれなりに成り立つように思える。むしろ、マネーゲームが制約され、より実体経済に即したコントロールができるような気もする。