【思ったこと】 150927(日)100分 de 名著:ダーウィン『種の起源』(2)
昨日も述べたように、進化は、個体の適応力ばかりでなく、繁殖と多様性を必要条件としている。番組内容からは脱線するが、そこから以下のような推測ができる。
- 個体がいくら頑強であっても、生殖能力が衰えてしまうと、その種はいずれ絶滅してしまうだろう。要するに、個体が長生きすることが重要なのではなく、その個体がどれだけ繁殖に従事できるのかが重要。
- ムカゴや球根で殖える植物よりも実生で殖える植物のほうが、環境変化や病害虫のもとでも生き残りやすい。単一品種の野菜ばかりを育てていると、飢饉の原因にもなる【番組3回目でも、収量の多い単一品種のジャガイモを育てていたために病害虫の被害を受け、人口の20%が飢饉で死亡したという例が挙げられていた。】
こうした原理を援用すると次のような推測も可能。
- 音声通話だけの固定電話時代は、機能に多様性が無く、耐用年数も長かったのであまり進化しなかった。携帯・スマホ時代になると、多様な機能が生まれ、頻繁に機器更新がなされることにより、飛躍的に進化した。但し、生物と異なり、機器自体は子孫を作らない。機能の一部が後継機種に受け繋がれていくだけ。
- 宗教団体が勢力を伸ばすためには、新たな信者を増やすことが必須。また、教義にある程度variationがあったほうが、後の世代まで受け継がれやすい。【あまりにも一面的な教義に固執していると、教祖が死亡したり新たな宗教の隆盛のもとでは急速に衰退しやすい。】
もっとも、進化の原理を人間世界に画一的に適用すると、障がい者差別、人種差別、高齢者虐待につながる恐れもある。このあたりは放送第4回で詳しく取り上げられていた。
次回に続く。
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