じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 文学部西側にあるミモザがまもなく開花の見込みとなった。北西側のミモザより一週間ほど遅いようだ。

2016年02月20日(土)


【思ったこと】
160220(土)非ユークリッド幾何と時空

 土曜日の昼前、放送大学で集中放送されている、

非ユークリッド幾何と時空

の第3回と第4回を視た。難解な内容が予想されたので、1回目からとりあえず録画しておいて、理解できそうであれば全回予約に切り替えようと思っていたところであるが、高校理系程度の数学しか学んだことのない私にとっては何とかついていけそうな内容であった。

 3回目の「平行線の公理と三大作図問題」では、定規とコンパスによる作図のうち、正多角形の作図に関して、「作図できている点を元にして描いた円や直線の交点として新しい点を求めるという操作はこれら高々二次の方程式を連立させてその解を求めるという問題に帰着される」という前提のもとに、なぜ、正五角形、正六角形、正十七角形などが作図できるのかが代数的に説明された。

 もっとも、番組では、なぜ二次方程式?という説明は省略されていた。上掲のリンク先のほか、いつも勉強させていただいているこちらのサイトに分かりやすい説明が記されていた。
定規とコンパスで描ける図形は直線と円ですから,その作図は線分の長さの加減乗除と平方根をとる操作に相当します.すなわち,定規(直線)とコンパス(円)による作図は,たとえそれらを繰り返し用いたとしても,+,−,×,÷,√なる5つの演算によって得られるものに限られています.

とはいえ、n −1=0という代数方程式が二次方式に分解できたからといって、直ちに作図の手順が示せるというわけではないようだ。




 放送4回目の「三角関数と平面三角法」ではまず、すべての多角形は三角形に分割できること、そしてすべての三角形は、垂線を引くことで2つの直角三角形に二分できることから、直角三角形がこれら図形の基本となるというようなことが説明された。

 興味深いのは、直角三角形の直角から垂線を下ろしてできる2つの直角三角形は元の直角三角形と相似になるということ。その後、同じ操作を何度繰り返しても、相似形が再生産されるだけとなる。

 また、直角三角形の辺をa、b、c(但しcは斜辺)とし、上記のように直角から斜辺に垂線をおろして分割すると、元の三角形の面積と分割された2つの三角形の面積の合計は等しく、かつ相似形であるゆえに面積比は各辺の長さの2乗の比になることから、
a2+b2=c2 というピタゴラスの定理が導ける。

 ピタゴラスの定理についてはこちらに紹介されている通りの多数の証明法があるが(4通りの美しい証明はこちら)、相似形の面積比の証明は私にはあまり美しいようには見えない。面積比の計算のあたりで、ピタゴラスの定理をこっそり使っているような印象を受けるからだ。(←実際はそのようなことはないようだが)。

 放送4回目ではまた、三角関数に関連してマーダヴァ・ライプニッツの公式が紹介された。この公式は、円周率が、奇数を分母とする級数と円周率をつなぐ美しい公式として知られているが、微分をつかった証明は結構ややこしい。またリンク先にもあるように、厳密にはアーベルの連続性定理を必要とする代入操作が含まれている。

 ちなみに、この公式は、分母が奇数となる単位分数が交代で加減されている。これを、円に外接する多角形と内接する多角形の周囲の長さの過不足分として幾何学的に表現できないものかと何度か考えたことがあるが自力では解決できていない。

 なお、円周率と級数に関する美しい公式としては、バーゼル問題があり、こちらに、高校数学で理解できる証明法が紹介されている。




 私の場合、もはや受験数学で苦労する必要はないし、いまさら数学者になれるわけでもない。そのぶん、数学の証明の美しさを鑑賞できる、というゆとりを持つことができる。放送大学の集中放送についても、理解できる範囲で楽しく学んでいければそれでよいと思っている。