【思ったこと】 160313(日)行動分析学における自己概念と視点取得(2)
行動分析学の創始者B・F・スキナーは、「自己」という用語が非科学的な使われ方をしていることについては批判しつつ、自らの著書の中で、個別の章まるごと、もしくは、関連する章のかなりの部分を割いて、「自己」に関連する諸問題を論じている。但し、「自己」に関する心理学用語一般がすべて登場するわけではない。なお、Skinner(1953)はスキナー財団Webサイトから全文を無料ダウンロードできるので、これに基づいて、「self」を含む語の出現頻度を機械的にカウントしてみた。各語の行頭の数値がその章内での出現頻度を表す。なお、出現頻度のカウントには、文頭の大文字で始まる語句、及び複数形(selves)を含む。oneselfなどの再帰代名詞は含まない。
- Skinner, B. F. (1953). Science and human behavior. New York: Macmillan.
- 第15章 SELF-CONTROL
_4 self(selves)(自己)
_1 self-administered(自動的に)all reinforcements are self-administered
26 self-control(セルフコントロール)
_1 self-deprivation(自己遮断)
_1 self-discipline (自己鍛錬)
_4 self-determination(自己決定)
_1 self-exploratory behavior (自己探求行動)
_1 self-extinction(自己消去)
_1 self-flagellation(自分をむち打つ)
_2 self-knowledge(自己知識)
_1 self-punishment (自己罰 ※自己処罰)
_1 self-reinforcement (自己強化)
_1 self-satiation (自己飽和)
_2 self-stimulation(自己刺激)
- 第16章 THINKING
_0 self (selves)(自己)
_5 self-control(セルフコントロール)
_3 self-determination (自己決定)
_3 self-probes(セルフ・プローブ)
_1 self-prompt (セルフ・プロンプト)
- 第17章 PRIVATE EVENTS IN A NATURAL SCIENCE
_0 self(selves)(自己)
_2 self-control(セルフコントロール)
_3 self-description (自己記述)
_1 self-descriptive repertoire (自己を記述するレパートリー)
_1 self-observation (自己観察)
_2 self-knowledge(自己知識)
_3 self-stimulation(自己刺激)
- 第18章 THE SELF
17 self(selves) (自己)
_3 self-control(セルフコントロール)
_1 self-description(自己記述)
_1 self-knowing (自己を知る)
_9 self-knowledge(自己知識、自己理解)
_1 self-manipulation (自己捜査)
_1 self-observation(自己観察)
_2 self-stimulation(実験刺激)
_1 selfish (利己的)
_1 unselfconscious(自己意識のない)
- Skinner, B. F. (1971).Beyond freedom and dignity. NY:Knopf.
第9章の「What Is Man?」の中で自己の問題が取り上げられている。
self-control(自制、自己制御←セルフコントロール)
self-descriptive (自己記述的)
self-knower(知る人)
self-knowledge(自己知識)
self-love(自己愛)
self-management(自己管理)
self-observation(自己観察)
- Skinner, B. F. (1974). About behaviorism. New York: Knopf.
第11章の「The Self and Others」で取り上げられている。
self-actualization(自己実現)
self-control (セルフコントロール)
self-descriptive(自己記述的)
self-descriptive behavior
self-fulfillment(自己実現)
self-image(自己イメージ)
self-knowledge(自己知識)
self-made rule (自己生成ルール)
self-management(セルフマネージメント)
self-stimulation (自己刺激)
selfish (利己的な)
- Skinner, B. F. (1989). Recent issues in the analysis of behavior. Columbus, OH:Merrill Publishing.
第3章の「The Initiating Self」で取り上げられている。
なおこの書籍は、他の学術誌等で発表された論文・エッセイを集めた論文集となっている。当該章は、
Chapter 3: Thinking Clearly About Psychology: Essays in Honor of Paul E. Meehl. (in press). D. Cicchetti & W. Grove (Eds.). Minneapolis: University of Minnesota Press.
と記されており、刊行年は「in press」となっていた。実際には1991年に二巻に分けて刊行され、正式な出典は以下の通り。但し、上掲書の章タイトルの中の「Initiating」は「Originating」となっていた。
Skinner, B. F.. (1991). The Originating Self. In W. M. Grove & D. Cicchetti (Eds.), Thinking Clearly about Psychology V2: Personality and Psychopathology. . University of Minnesota.
self-commendation (自己賞賛)
self-confidence(自信)
self-control (セルフコントロール)
self-esteem(自尊感情)
self-observation(自己観察)
self-stimulation (自己刺激)
次回に続く。
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