じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 生協食堂(マスカットユニオン)マスカットユニオンから眺めるモミジバフウ(アメリカフウ)と半田山の新緑。4月11日掲載の2階南西方向の眺め【右に再掲】とは違った趣がある。

2016年04月13日(水)


【思ったこと】
160413(水)「宮澤賢治はなぜ浄土真宗から法華経信仰へ改宗したのか」(5)日本仏教各宗派の特徴

 昨日の続き。

 こちらのリストから拝聴できる正木先生のお話の中では、日本仏教の各宗派(主として鎌倉仏教以降)の特徴についてしばしば言及があった。このことが賢治の改宗に関係しているかどうかは不明であるが、葬式と京都の庭園めぐり以外には仏教に殆ど縁の無い私にとっては大いに勉強になった。但し、ここに記したメモはあくまで今回の講演に基づくものでありそれぞれの宗派の関係者から直接伺った内容ではないため、あくまで見方の1つとして、柔軟に受け止めておいたほうがよさそうである。
  • 現在、7万2000のお寺があり【コンビニの4万よりはるかに多い】、そのうち2万5000が浄土真宗(西が1万以上、東が9000など)、日蓮宗5500、曹洞宗1万5000、真言宗1万5000、浄土宗1万など。ちなみに江戸時代中期は人口が今の1/4であったにも関わらず40万のお寺があり10万は浄土宗、10万は浄土真宗であった【動画その6】。
  • 時宗
    一遍上人が熊野本宮大社で悟りを開く。信仰の無い人にも、南無阿弥陀仏のお札を渡しなさいというお告げあり【動画その1〜2】
  • 修験道:
    明治以降、徹底的な弾圧により解体される。
  • 曹洞宗
    禅宗と言われているが本当は祈祷宗教で座禅をしないお寺もある。豊川稲荷、恐山、とげぬき地蔵、最乗寺(天狗さん)なども曹洞宗。祈祷するお寺が7割(特に東北地方)。道元の哲学的な思想と瑩山紹瑾が導入した祈祷をうまく組み合わせて生き残った。
  • 華厳宗
    東大寺の大仏で知られる。宇宙全体やモノの成り立ちを説くが一般庶民にとっては難しすぎる【動画その6】
  • 浄土宗
    江戸時代は徳川家のご宗旨として栄えたがその後は衰退。但し徳川家の菩提寺は浄土宗(増上寺)と天台宗(寛永寺)で半々。天海の影響力による。
  • 大名家の奥さんは日蓮宗←女人成仏をはっきり書き残したのは日蓮のみ。【動画その7】
  • 浄土真宗は根本的には来世志向(死んだ後どうするか)。実際の浄土真宗は現世重視。
  • 日蓮宗は徹底的に現世志向。【娑婆即寂光土(しゃばそくじゃくこうど)】

 ということで、主として鎌倉仏教以降の各宗派が特徴づけられた。今回の講演ではほとんどふれられていなかったが、四国八十八箇所遍路で知られる真言宗の影響力も忘れてはならないように思う。もっともウィキペディアの当該項目に記されているように、四国遍路は
現代においては、従来の信仰に基づくものや、現世・来世利益を期待する巡礼者も引き続き大勢いるが、1990年代後半からは信仰的な発心よりも、いわゆる自分探し、癒しとしての巡礼者が増えたといわれている。一時期減ったといわれるすべての札所を徒歩で巡礼する歩き遍路も同じ頃から増えた。
というように特徴づけられている。巡礼者数は年間10-30万人(うち歩き遍路が2500-5000人)と推定されているという。

 ちなみに、葬式の時に我が家では曹洞宗、妻の実家では浄土真宗のお世話になっているが、いずれも自分たちで選択したわけではない。親の代や本家の宗派に合わせているというだけで、それが一番無難であるからに過ぎない。私自身が死んだ時にも、私自身は無宗教の家族葬を望んでいるが、けっきょくは、世間から誤解を招かないように、親の代に合わせた無難な選択(=同じ宗派を継承)がなされると思う。

次回に続く。