じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
楽天版にも掲載したように、12月5日の岡山は濃い霧に包まれた。写真は、霧に包まれた岡大湖と霧が晴れた後の岡大湖の比較。(岡大湖というのは、雨の降ったあと文法経グラウンドに出現する水たまりのことだが、この時期は紅葉の半田山を映す絶景となる。) |
【思ったこと】 161205(月)関係反応についての講義メモ(23)「反応するかしないか」と「どこへ反応するか」 12月1日の続き。 佐藤(2007、5頁)では、継時弁別における弁別刺激と同時弁別における弁別刺激が以下のように分類されている。
弁別刺激にはSDおよびSΔが区別されるという以外には、これまでに弁別刺激の分類について論じられたことは、私の知るかぎりなかった。弁別刺激はいうまでもなくオペラント条件づけにおける重要な概念の一つである。しかしながら、弁別刺激についての理論的な分析が殆んどなされていないばかりではなく、その定義自体でさえも明白ではないのである。と述べられている。ちなみに、佐藤先生が2006年9月に発表された、 Sato, M. (2006 September). How can behavior analysis integrate all areas of psychology? Invited address at 8th International Congress on Behavior Studies, Santiago de Compostela (Spain) では、弁別刺激は、
もとの話題に戻るが、「反応するか‐反応しないか」(“go-no go”)と「どこへ反応するか」(“where to go”)はどの程度区別すべきものなのだろうか。同時弁別課題で、見本刺激として青、比較刺激(選択刺激)として青と赤が同時提示された場合についてもう一度考えてみよう。 ● 比較刺激 ● ● 佐藤(2007)では、比較刺激の色は、「どこへ反応するか」(“where to go”)を制御するとされているが、2つ並んだ比較刺激のうち、青色に対しては「反応する」(“go”)、赤色に対しては「反応しない」(“no go”)を制御すると見なすこともできる。いっぽう、「反応するか‐反応しないか」(“go-no go”)が制御されているとされる継時弁別においても、逆に、「どこへ反応するか」のSDが存在した時に反応し(“go”)、SDが存在していない時は、どこへ反応するのかを探し続けて、結果として反応する場所が見つからなかったと考えることもできる。 ということもあり、弁別刺激に関する理論的分析はなかなか難しい。あくまで人間の弁別に限られることになるとは思うが、個人的には、関係フレーム理論の中で論じられている「関係文脈」と「機能文脈」、あるいはルール支配行動における「プライアンス」、「トラッキング」、「オーグメンティング」という分類のほうがスッキリしていて、応用力があるのではないかという考えを持っている。 次回に続く。 | tr>