じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 3月7日、岡大で前期日程の合格者発表が行われた。最近では、合格者の受験番号は、紙媒体による掲示と並行して、ネット上で発表されているため、発表会場では、以前のような賑わいは無かった。ネット上で合格を確認してから、記念写真撮影のために訪れる親子が多い。
 いっぽう、新入生の住居探しのほうも本格化しており、レンタル自転車に乗って、生協の学生スタッフの案内で、大学周辺を動き回っている姿も複数目撃された。

2017年3月7日(火)



【思ったこと】170307(火)オドノヒュー&ファーガソン『スキナーの心理学』(19)第4章 徹底的行動主義(1)

 3月6日の続き。

 第4章は、


行動科学の哲学―徹底的行動主義

というタイトルで、スキナーの徹底的行動主義(radical behaviorism)の特徴が分かりやすく説明されている。

 いくつかの解説書で強調されているように、radical behaviorismの「radical」というのは、「根本的」、「徹頭徹尾」というような意味であり、「急進的」、「過激な」という意味合いはない。特に参考になりそうな記事は、以下の通り。
  • Skinner, B.F. (1945). The operational analysis of psychological terms. Psychological Review, 52, 270-277, 291-294.【頁が2箇所に分かれているのは、紙上討論型になっているため。】
  • Skinner (1974).About behaviorism.
  • 佐藤方哉 (1985).行動心理学は徹底的行動主義に徹底している. 理想, 625, 124-135.
  • 武藤崇 (2011).第1章 機能的文脈主義とは何か.【『ACTハンドブック: 臨床行動分析によるマインドフルなアプローチ』星和書店、武藤(2006)とほぼ同じ内容】.
  • トールネケ(2013).第1章 徹底的行動主義と基本的な行動分析の諸原理.【『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ:言語行動理論・ACT入門』星和書店】
 あくまで個人的な印象だが、オーソドックスな行動分析学入門書よりも、2000年以降に刊行されている関係フレーム理論やACTの解説書ほうが、徹底的行動主義の特徴を詳しく論じているように思われる。というか、基礎的な実験的行動分析を専門としている人たちにとっては、方法論的行動主義であっても徹底的行動主義であっても、自身の研究を発展させる上では大した差違は無いと考えておられるのかもしれない。もっとも、「徹底的行動主義イコール機能的文脈主義」と言ってしまうと、行動分析学者の一部からは異論が出されるかもしれない。

 次回に続く。