祝 執筆開始20周年

じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 岡大・津島東キャンパス東端にあるポプラ。初夏の北海道を思い出させる新緑。

2017年5月8日(月)



【思ったこと】
170508(月)じぶん更新日記、執筆開始20周年(3)なぜWeb日記を書き続けるのか

 「なぜWeb日記を書き続けるのか」については過去にも何度か考察したことがあったが、20周年を迎えたところでもあり、このあたりで改めて考えを述べておきたいと思う。

 まず、「なぜWeb日記を書き続けるのか」の「Web日記」という部分について一言おことわりしておくが、私が書いているのはあくまでWeb日記であって、断じてブログではない。ブログというのは、この日記の執筆を開始した後から誕生した新語であって、通常、無料のブログサイトでエントリー(「更新」)されている。そういう意味では、楽天版じぶん更新日記はブログと言えるが、いま書いている「じぶん更新日記」は、コメント機能は備えていないし、メールでご意見や質問を頂戴しても、同業者からのメールなど一部の例外を除けばお返事を出すことはない。(お返事を出さない方針であることは、あらかじめ明記してある。)

 次に「なぜWeb日記を書き続けるのか」の「なぜ〜なのか」の部分であるが、一般には、Web執筆の目的や意義を述べることがその回答になると思われがちである。もちろん、Web日記作者の中には明確な目的をもって執筆を続けている方もおられるとは思う。それは「ルール支配行動」と呼ぶことができる。しかし、目的を挙げるだけでは、行動の原因を説明したことにはならない。行動分析学の立場から言えば、行動は強化されているからこそ継続しているのであり、何によって強化されているのかを明らかにすることが、「なぜ、○○という行動を続けているのか」という問いに答えることになるのである。

 昨日リンクさせていただいた「ご長寿Web日記」では、さまざまな強化因が複合的・加算的に働いているものと推測される。
  • 1日に1000を超えるアクセスを獲得しているWeb日記/ブログの場合には、自分自身の日々の考えを表明し、それについて、読者から反応してもらう(賛同、意見、質問など)ことが付加的な強化になっていると思われる。
  • (自分の考えを表明するのではなく)日常生活の描写中心で、1日に50程度のアクセスであっても、コメント書き込みやリツイートなどのSNS機能による交流があれば、これまた大きな強化因になる。
  • 特定のテーマについて、新たな情報を提供したり、他者からの情報にリンクしたりすることは、自らの知的向上に役立つし、社会貢献にもなりうる。この場合、獲得した情報や、他者からの感謝などが強化因になりうる。
 もっとも、個人の日常生活を克明に記録しているWeb日記の場合は、上記のどれもあてはまらない。15年、20年と続いているご長寿Web日記には、そういうタイプが少なくないように思われる。このタイプの場合、別段、他者に公開する必然性はないのだが、公開日記スタイルとすることで、
  • 人様に知られても恥ずかしくないような生活スタイルを確立できる。
  • 毎日同じ時間帯にWeb日記を執筆することで、執筆行動そのものが日常生活の一部となり、生活全体が規則的になる。
  • 日々の生活を文字に表していくことで内省的になり、短絡的に結論したり、根拠の乏しい思い込みに囚われたり、といった歪みを正していくことができる。
  • 日々の生活を文字に表していくこと自体が生きていることの証しになる。
といったメリットが出てくるように思われる。私が書き続けているWeb日記も、このタイプに近い。

 私の場合、執筆内容はそのときどきで大きく変わっていく。以前は家族の出来事、時事問題などを扱うこともあったが、最近はもっぱら、授業準備や論文執筆の一環として、何かの文献を要約したりコメントしたりすることが多くなった。時事問題について書かなくなったのは、単純に、歳をとって世間の出来事に対する興味が薄れてきたためにほかならない。

 来年3月の定年退職後は、もう少し執筆時間が増やせると思う。執筆内容も、雑学一般、趣味的な数学問題、自然とのふれあい、高齢者(=私自身)の価値追求などにシフトしていくものと思われる。