じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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勢いよく流れ落ちる「座主川滝」。座主川は旭川から取水し、岡大構内を流れているが、写真は、別の小さな用水路かの余分な水を座主川に排出している場所であり、この近辺では最も落差が大きい。
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【思ったこと】 170625(日)ボーム『行動主義を理解する』(40)目的と強化(2) 6月24日に続いて、 ボーム(著)森山哲美(訳)(2016).『行動主義を理解する―行動・文化・進化―』 二瓶社. の話題。 第5章では、歴史的原因と即時的原因について、巨視的行動主義の立場を反映した議論が展開されている。 フロイトの影響などもあり、幼少期の体験が大人になってからの行動に影響を及ぼすことについては、多くの人が慣れ親しんでいるが、その大部分は、心理主義的な解釈に基づいている。心理主義の罠に陥らないためには、遠い昔に起こった出来事が現在の行動に直接影響することを受け入れることであるとされている。 環境と行動の間の観察された関係に時間の隔たりがあっても、科学的あるいは実用的重要性はなくならない。子どもの頃に虐待を受けた人々は、大人になると虐待する傾向があるのであれば、子どもの頃と成人のときという時間の隔たりがあっても、この事実の有効性は変わらない。この事実をもとに治療が可能になるのであり、初期の経験の効果を深く理解することができるのである。ここで私なりの考えを付け加えさせてもらうと、まず、過去の経験が現在の行動に何らかの影響を及ぼしていることは、習得性好子、習得性嫌子、刺激弁別の特徴、条件反応など様々な事実によって明白であるとは思う。但し、過去の恐怖体験が現在の行動にダイレクトに影響を及ぼしているかどうかは断言できない。過去の体験はあくまで過ぎ去った出来事に過ぎない。関係フレーム理論が説いているように、出来事そのものが現在に影響を与えるのではなく、出来事に関連した言語反応が影響を及ぼしている可能性もある。このほか、トラウマは存在しないというアドラー心理学の主張にも耳を傾ける必要があるかと思う。 さて、本書のほうでは、過去の出来事と現在の行動を一対一に関連づけるのではなく、過去の継続的な体験が現在に影響を与えるという、まさに巨視的行動主義の立場が反映しているように思われる。例としてあげられているのは「指示に従う」、「約束を守る」というような行動である。指示に従ったり、約束を守ったりする人は、過去に何度も何度も、そのような行動が強化されていたからと言える。もっとも、これだけであれば、般化の概念で説明できる。さらに言えば、ある種の関係反応が学習できなければ、文脈に合わせた適切な行動をとることはできない。「指示に従う」場合には、指示の発出者と自分自身との関係や、指示が出された文脈が重要な役割を果たす。「約束を守る」場合も同様である。 次回に続く |