じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 170709(日)ボーム『行動主義を理解する』(49)目的と強化(11) 7月06日に続いて、 ボーム(著)森山哲美(訳)(2016).『行動主義を理解する―行動・文化・進化―』 二瓶社. の話題。 「原因としての目的」に続いて、訳書131頁からは「感情としての目的」が取り上げられている。この部分は、私的出来事をどう扱うかに関係しているが、このあたりはMooreから手厳しく批判されている内容を含んでいる。但し、その論点については別途取り上げることにしたい。 Moore, J. (2011). A review of Baum's review of conceptual foundations of radical behaviorism. Journal of the Experimental Analysis of Behavior, 95, 127-140. この節の冒頭では 人が目的について語る3番目の方法は、私的経験に関するものである。他者の目的について私たちが語るとき、私的事象について語ることはできない。しかし、自分自身の目的を語るとき、私たちは、何か存在するもの、何か私的なものに触れていると思うかもしれない。と述べており、私的出来事がどのように語られるか、というより私的出来事についてどのように感じ方をするのかに焦点があてられているように見える。 「○○するつもりだった」とか「○○したかった」という言明は、過去において、意図なるものが自分の経験の一部に語られることである。しかし、こうした意図についての報告は、実際には、公的出来事と組み合わされて、特定の文脈のもとで発せられている。文脈自体が公的に特定できれば、私的な「意図」を想定する必要はない。なお、ここまでのところでは、ルール支配行動の役割については特に言及されていない。 次回に続く。 |