じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 180213(火)ボーム『行動主義を理解する』(84)ルール支配行動と思考(7) 2月11日の続き。 本書の230頁以降では、問題解決に関連してルーチンスの実験が紹介されていた。これは、異なる容量の3つの容器A、B、Cを組み合わせて、特定の量Dの水を求めるという問題であり、問題1.〜6.は以下のようになっていた。
続く問題4.と5.は、1.〜3.を解いた人は同じやり方でも解こうとするが、実は、単にAをいっぱいにして空のCに水を移すだけで、もっと簡単に解決することができる。最後の6番目の問題も、単にAに水をいっぱい入れて空のCに移すだけで「A−C=28−3=25=D」となって解決できるのだが、直前に1.から5.の問題を同じやり方で解いた殆どの人はこれを解くことができないという結果になった。 上記の実験について、心理主義者は「心理セット」とか「認知セット」という概念で説明しようとするが、行動主義の観点から言えば、そのような概念は、1.から3.で形成された行動パターンが持続したということの言い換えに過ぎない。すなわち、「B−A−2C=D」という行動パターンは、1.〜3.の問題を解くことで強化され、かつその行動パターンが弁別刺激となる。その弁別刺激は4.以降の問題解決の際の弁別刺激となって行動を制御する。もし問題解決の途中で容器Bを使わないような行動パターンが強化されていれば、4.以下はもっと簡単に解けるようになる。いずれも、問題解決者自身の行動から生じるものである。 次回に続く。 |