じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 定年退職記念・岡大の花(6)白木蓮

 ハクモクレンは岡大敷地内に数本あるが、その中では本部棟・北東側にある樹が最も見事に花を咲かせる。花期は3月下旬で短い。

2018年2月27日(火)


【思ったこと】
180227(火)徹底的行動主義をめぐるBaumとMooreの論争(2)

 まずは、論争の口火となった以下の論評を取り上げる。

●Baum, W. M. (2011a). What is radical behaviorism? A review of Jay Moore’s Conceptual Foundations of Radical Behaviorism. Journal of the Experimental Analysis of Behavior, 95, 119-126.

 上掲の論文では、Mooreの2008年刊行の『Conceptual foundations of radical behaviorism.』という本は以下の点で不十分であるとされている。
  • スキナーは偉大な業績を挙げたが、いくつかの点で誤りをおかしていた。Mooreの本は、そうした誤りを指摘しておらず、もっぱら、徹底的行動主義の「綱領」(party line)を述べているにすぎない。
  • Mooreの本は、スキナーの論じた概念のうちのいくつか(メンタリズムと言語行動)に狭めて焦点をあてており、スキナーの誤りを指摘していない。
  • Mooreの本は、自分自身の主張においても誤りをおかしている。
  • Mooreの本は、スキナー以後の徹底的行動主義の発展に殆ど言及していない。


 Baumが展開する巨視的な徹底的行動主義についてはこのWeb日記でも連載しているところである。まず、行動主義者たちが一致している論点は、行動を対象とした科学は成立しうるという点である。徹底的行動主義はこれに加えて、行動の科学は自然科学として成立しうるという立場をとる。徹底的(radical)という意味は自然科学という立場に立つかどうかにかかっているとされている。

 このBaumの主張に対しては、それは方法論的行動主義ではないかという批判がある。いっぽうBaumは、実在論との明確な違いを論じている。要するに、「科学とは何か?」、さらには「自然科学とは何か?」という点においても食い違いがあるため、なかなか議論が咬み合わないようだ。

 次回に続く。