じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 180228(水)徹底的行動主義をめぐるBaumとMooreの論争(3) Baumは、書評の最初のところで、行動の科学を成立させるにあたってスキナーがそのように貢献したのかを要約している。
2番目は、言語行動の分析における貢献、すなわち、言語、指示内容、意味といった伝統的なアプローチに行動的観点を導入したことである。言語行動は特別な行動ではなく、他のオペラント行動と同じであると論じた点で斬新であった。 3番目は、「結果による選択」という考えを因果的説明として重視した点。行動が結果によって変容するという考え自体はスキナー以前にもあり、またスキナー自身の強化理論は【Baumの観点から言えば】不十分なものであったが、とにかく、強化の随伴性という考え方に基づいて研究をしたり日常生活行動を説明するという点では大きな貢献であった。 スキナーにはこうした広範囲の貢献があるにもかかわらず、Mooreの本では、きわめて部分的、メンタリズムと言語行動に関する貢献しか言及されていないという点で不備がある、とBaumは批判をしている。 次回に続く。 |