じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



03月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る


 3月3日朝の日の出と月の入り。月齢は15.0で満月直後であったが、日の出と同じ時刻に北西の空に輝いていた。

2018年3月3日(土)


【思ったこと】
180303(土)徹底的行動主義をめぐるBaumとMooreの論争(6)

 昨日までの引用のところで、Baumは、私的事象が公的な行動(=顕現的で観察可能な行動)に影響を及ぼすという考え方に反対を表明していた。私自身も、私的事象そのものが行動の原因になるとは考えていないが、だからといって私的事象は研究の対象にならないとは思われない。

 私的事象というものが実在しようとしまいと、我々は、外部環境のタクトの般化として、体の内部や自分自身の状態について、さまざまなタクトを行う。タクトされた現象自体が真実であるかどうかは問題ではない。とにかく、そういったタクト(言語反応)は勝手に起こるものであり、その反応自体が弁別刺激となったり、確立操作、あるいは強化や弱化刺激として機能したりして、後続の行動に影響を与える。では、私的事象のタクトはどういうプロセスで生じるのか。これを分かりやすく説明しているのが関係フレーム理論の考え方、すなわち、般化オペラントとしての派生的関係反応や刺激機能の変換という考え方である。この考えが正しいかどうかというより、この考えによって、どれだけ生産的な研究や応用が生み出されるのかを見ていく必要がある。

 次回に続く。