じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 3月13日の岡山は一日中よく晴れ、防火用の池にクスノキやヒマラヤスギがくっきりと映っていた。写真では上下を反転させている。岡大構内のパラレルワールドとしては水田のパラレルワールドがある。

2018年3月13日(火)


【思ったこと】
180313(火)第23回人間行動分析研究会(2)強化の遅延

 昨日の続き。

 2番目の話題提供は、オペラント行動の形成速度(習得)に強化の遅延が及ぼす影響を検討したものであった。反応から強化まで遅延があると習得が遅れることは知られているが、それが、遅延そのものの効果によるのか、遅延の間に出現する別の行動が強化されることでもとの行動への強化を妨害するのかが、実験的に検討された。元の実験をシンプルに表現すると、ようするに、正反応が起こった時に、遅延無しの条件では直ちに「得点獲得」のフィードバック(=強化)がなされる。遅延あり条件のうち、遅延時間中に他の行動させない条件では、正反応が起こった直後に「しばらくお待ちください」というような表示が出て他の反応ができなくなる。他の反応ができる条件では、「しばらくお待ちください」という表示はなく、遅延時間中に別の反応をすることができる。実験の結果、他の反応ができる条件において、習得が遅くなることが分かった。

 遅延無し条件と、(他の反応ができない)遅延あり条件で差が無かったことについては、
  • この実験条件では、遅延そのものの効果が確認されていないのではないか。
  • (他の反応ができない)遅延あり条件では、正反応が生じた直後に「しばらくお待ち下さい」という表示が出されているが、この表示自体が強化のフィードバック(信号つき遅延)になっているのではないか。
といった問題を指摘する発言があった。なお、遅延時間中に別の反応が強化されることの効果については、「別の反応」が、正反応と類似した反応であるのか、全く異質の反応であるのかによっても影響が変わってくると思う。正反応と競合するような反応が強化されてしまえば当然、正反応への条件づけは妨害される。正反応に似ている反応の場合は、分化強化や般化の影響を見極めないとどちらとも言えない。今回の実験では、モニタ画面上のあるエリアにポインタを合わせてクリックする反応が正反応とされていたので、それ以外のエリアをクリックする反応が強化されてしまえば分化強化は起こりにくくなるだろう。

 次回に続く。