じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 朝方、妻の運転する車で岡大・東西通りを通過。歩道からとは違った目線でハナミズキを楽しむことができた。

2018年4月18日(水)


【思ったこと】
180418(水)写真コストゼロ社会

 定年退職を機会に、四半世紀前に撮影した写真のネガからjpegファイルへのデジタル化の作業に取り組んでいる。このWeb日記でも何度か書いているように、私がデジカメで写真を撮るようになったのは1997年12月25日からであり(←デジカメ写真は撮影日時が記録されているのですぐに確認できる)、それ以前はすべて銀塩カメラによるプリント写真をアルバムに貼っていた。

 フィルム写真のほうは、中学生頃からのネガがすべて保存されているのでその気になればすべてデジタルファイル化することができる。殆どのカラー写真はすでに退色しているが、「退色写真の復元」機能を使うことで、かなりの程度で自然色に戻すことができる。

 フィルム写真の時代は、記憶がイマイチ定かではないが、確か36枚撮りフィルムは1本500円ぐらいであったと思う。取り終えると円筒形のプラスチックケースに入れて写真屋さんに持ち込む。その際、大概は、現像とプリントをセットにした「同時プリント」を依頼するが、この代金は1000円〜1200円くらいになったと記憶している。プリント写真の焼き増しは1枚につき30円くらいだったが、一番安い頃には10円台になっていた。また、気に入った写真を大サイズにすると1枚数百円以上となった。

 デジカメ写真は、売り出された当初は画質が悪く(←こちらのアルバムの1998年頃の写真参照)、またフロッピーディスクに保存していたため、旅行時には大量のフロッピーディスクを持ち運ぶ必要があった。

 私の場合、当初はソニーのサイバーショットを使っていたので、デジカメの記憶媒体はフロッピーディスクからメモリースティックへ。その後、現在のSDカードへの保存となった。メモリースティックは結構値段が高く、容量が大きいものは1枚7000円以上だったと記憶しているが、SDカード移行後は低価格化が進み、1枚数100円で済むようになった。しかも、撮影したjpegファイルはHDDに移しているため、SDカード自体は繰り返し使うことができる。

 こうした時代の変化によって、フィルム代、現像代、プリント代などは一切気にせず、何枚でも写真を撮れるようになってきた。実際、直近3回の海外旅行における撮影枚数(特別な場合を除き、1枚1920×1080ピクセルで撮影)は、
  • 2018年4月ニュージーランド:2422枚
  • 2017年9月ブラジル・レンソイス:2053枚
  • 2016年9月アビスコ国立公園とロフォーテン諸島:3749枚
などとなっており、3回の旅行の撮影枚数総数は8224枚となっていた。仮にこれだけの枚数の写真をフィルムカメラで撮るとなると、(現像代・プリント代含めて)1枚20円換算で16万円以上の写真代がかかってしまう。近場の海外旅行1回分に相当する額である。

 デジタルカメラによる撮影の特徴は、コストゼロというだけではない。撮影の日時のほか、GPSデータもしっかりと記録されている。フィルム写真を整理していると、(日時をフィルムに焼き込む設定にしていない限りは)いつ撮影したのか、あるいは、どこで撮ったのか分からなかったりする場合があるが、最近のデジカメではその心配が無くなってきた。

 デジカメやスマホによって、子どもたちの撮影記録も膨大な量になってきた。私自身は、アルバムに貼られたわずかのモノクロ写真から幼少時の生活を推測するしかないが、今の子どもたちは、写真そのもからダイレクトに当時の生活環境を再現することができる。

 子どもたちが大人になった時、記録された大量写真がどういう影響を及ぼすのかは分からない。過去との連続性が強められるのかもしれないし、過去があまりにも鮮明に記録されていることによって時間の流れが失われてしまって過去から現在が一体化した平面的な人生観を持つようになるのかもしれない。

 なお、ネガフィルムのデジタル化が完了した時点で、同じものを写したプリント写真やアルバム台紙はすべて廃棄しようと思っている。これは単に、書棚のスペースを拡げるためである。また、実際のところ、私に関するアルバムなどは子孫が見ても大した役には立たないし処分に困るだけになると思う。