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大学構内で、徳利そっくりの形の蜂の巣を見つけた。トックリ型なのでトックリバチの巣かと思ったがネットで調べたところ、恐ろしいコガタスズメバチの巣の初期段階であることが分かった。さっそく事務方に連絡をした。撮影場所は人通りの少ない場所であるが、隠れ喫煙目的で近寄らないようにしてもらいたい。 [※]当該の巣は、その日の夕方には除去されていた。よかったよかった。 |
【小さな話題】 「世紀の大発見 小型人類の謎」その後 録画済みDVDを整理していたところ、2010年10月頃に放送された、 NHK ハイビジョン特集 世紀の大発見 謎の小型人類 〜もうひとつの「指輪物語」〜 のDVDが目にとまった。 2001年〜2003年頃に公開されたロード・オブ・ザ・リングの映画で活躍したホビットたちに関連づけて、“もうひとつの「指輪物語」”というサブタイトルが付けられていた。 実在した小型人類と呼ばれていたのは「ホモ・フローレシエンシスで、「フローレス原人」とも呼ばれている。フローレシエンシスの成人の身長は1メートル、脳容量は現生人類の3分の1にすぎない380ccであるが、精密な石器を作るなど、高度な能力があったことが確認されている。この事実からは、
もっとも、2010年当時に「世紀の大発見」と騒がれ、その後「ロード・オブ・ザ・リング」の続編にあたる「ホビット」が人気を博したわりには、「フローレス原人」はそれほど関心を集めていないように思われる。 人類学には全くの素人である私見だが、「世紀の大発見」にならなかった一番の理由は、当初1万2000年前まで生きていたと推定されていたフローレス原人が、その後の調査でもっと早い時期に絶滅していたことが確認されたためであったと思われる。このあたりの経緯は2016年4月の日経BP記事に詳しく記されている。絶滅の時期は、上記の1.の「なぜ、祖先より小型化したのか?」に大きく関わってくる。絶滅の時期が遙かに早かったとすれば、「祖先より小型化」したのではなく、もともと小型であった祖先からそのまま適応したと考えることもできる。 なお、「小型」と言う場合、身長や体格の小型と、脳の小型は分けて考える必要がある。小型の体格は、ピグミーのように現生人類でも見られるし、進化上、小型化することで適応した動物はいくらでもいる。 これに対して、脳を大きくすることで進化してきた人類の中で、あえて脳を小型化することに適応上どういうメリットがあるのかは慎重に検討する必要がありそうだ。チンパンジーの脳も400cc程度であるが、番組でも紹介していたように、ある種の短期記憶に関しては人間以上の記憶力を有する可能性が指摘されている。フローレス原人も、ある面では現生人類以上の能力を発揮していた可能性があるが、石器の形だけからどこまで推定できるのかは分からない。 フローレス原人が絶滅した理由についてもこちらで考察が行われている。リンク先には記されていないが、ネアンデルタール人絶滅の原因に挙げられている出生率の低下も考慮する必要があるだろう。 |