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倉敷市真備町などに大きな被害をもたらした平成30年7月豪雨(西日本豪雨)から1か月が経過し、一部区間が不通となっていた津山線も8月5日の始発から全区間平常運転が再開された。写真上は法界院駅近くを通過する岡山行き(写真上)と津山行き(写真下)の列車。 |
【小さな話題】 岡山の自然災害/キャンピングカーの避難所活用 平成30年7月豪雨(西日本豪雨)から1か月が経過し、NHKのローカル番組などで、災害の原因や今後の防災対策の特集が放送されていた。 これまで、岡山は自然災害が少ないと言われており、実際、活断層が少ないため直下型地震が起こりにくく、また台風は通過した場合でもすでに弱まっていて大きな被害が起こりにくいという地理的な特性があるように思われていた。しかし、地球温暖化に伴う気候変動のせいか、局地的な豪雨は日本全国どこでも起こりやすい時代となっていて、岡山は安全だというこれまでの常識(迷信?)はもはや通用しない。 ローカル番組でも取り上げられていたが、岡山県内で200ミリ以上の雨が降ることは前日からすでに予想されていた。自治体でも避難勧告が発せられていたというが、これほどまで急激に増水・氾濫すると思っていた人たちは少なく、水があふれてきた時にはもはや動けなくなってしまったようである。 今回の犠牲者の中には体が不自由な70歳代、80歳代のお年寄りが多く含まれていた点にも留意する必要がある。水が溢れてきた時に2階に上がろうとしても、自力では階段を上れず、同居者も高齢であるために上まで運び上げられなかったといったケースがあったようだ。高齢で体が不自由になった方は、階段の上り下りが必要な2階ではなく、トイレや外出に便利な1階で暮らすようになるだろう。家が2階建て以上であっても、1階が床上以上に浸水してしまうと避難が難しいことに目を向けるべきである。 このほか、避難所暮らしの環境改善にも配慮が必要である。8月7日のモーサテで取り上げられていたが、日本の体育館での雑魚寝型の避難所と異なり、イタリアでは災害発生に備えた、ベッド、トイレ、キッチンカーなどが完備されており、プライバシーへの配慮も行き届いているという(こちらに関連記事あり)。 このことに関係するが、日本でも、キャンピングカー、キッチン台やトイレなどを複数台備えた大型車などを常備するという避難所対策があってもよいのではないかと思う。これらは、ふだんはレジャー目的で貸し出すものとする。但し、普通のレンタカー契約とは異なり、災害発生時には即時返却し、被災地に移動しなければならないものとする。こうすれば、維持費を補うことができる。 キャンピングカーを避難所代わりに使うためには駐車スペースを確保する必要があるが、これまた発想を転換し、例えば、路面に太陽光発電設備を埋め込んだ幅の広い道路を作っておいて、普段は発電、災害発生時には避難所用駐車スペースとして活用するという方法も考えられる。 いずれにせよ、災害発生時に必要な設備はできる限り可搬型で、かつ、多目的に活用できるほうが購入費・維持費の低減につながる。避難所でのプライバシーを守り生活の質を上げるためにも、可搬型のアウトドア設備との併用を検討する必要がある。 |