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北海道胆振東部地震発生から2日後の9月6日朝のNHKニュース画面。逆L字型画面で流される情報の中には、速報性の無いものも含まれているように思われる。↓の記事参照。 |
【小さな話題】 全国放送と逆L字型画面における地震関連ニュースの扱い 9月6日の早朝に発生した北海道胆振東部地震では、9月8日午前06時現在で、死者16人の人的被害があり、依然として19人が安否不明の状態にあるという。昨日も述べたように、この地震では北海道全域が停電し、その影響で鉄道、バス、航空機なども運休になるなど大きな影響が出たが、8日のうちにはほぼ全域で停電が解消される見込みであると伝えられている。 今回の地震は、北海道内では初めて震度7を記録し、大規模な山崩れが発生するなどの甚大の被害をもたらしたが、報道の内容については改善が必要であるように思われた。 地震発生翌日の7日午後、NHK総合では全国放送の時間帯の大部分を割いて地震関連のニュースを伝えていたが、その内容は、同じニュース、映像の繰り返しばかりであった。また、たまたまテレビのスイッチを入れた直後には、北海道内のスーパーの営業状況[※]が伝えられていたが、当該地域以外では全く役に立たない。北海道内のローカル放送の中で伝えるべきであろうと思う。 [※9月8日追記]営業情報は9月8日の11時のニュースでも数分以上の時間をとって伝えられていた。但しなぜか、両日とも、道内約1100店舗を誇るセイコーマートについては言及されていなかった。 地震発生の2日後となった9月8日朝の逆L字型画面(上の画像参照)でも、全国放送としては必ずしも重要と思われない情報が表示されていた。例えば、6日に起こった地震の震度やマグニチュードの情報は当日からすでに伝えられており速報性が無い。ヘタをすると新たに起こった別の地震(もしくは余震)ではないかと誤解される恐れがある。また、避難所での健康管理・衛生面での注意事項などが表示されていたが、こういう情報はそれぞれの現場において直接伝達されるべき内容であって、全国放送の文字情報として流してもその表示があったことで初めて役だったという人は殆どおられないように思う。 公共放送として、国民の安全に関わる情報を最優先で伝えることは重要ではあるが、同じ内容を繰り返し伝えると注目されなくなってしまい、新たに緊急に伝える必要のある余震情報とか、大雨による二次災害の警戒情報などが逆に伝わりにくくなってしまう恐れがある。 なお、今回は北海道全域で停電という前代未聞の事故が発生したため、他の災害報道とは異なる特殊な状況であった点は斟酌しておく必要がある。じっさい、NHK「おはよう日本」では、高瀬耕造アナウンサーが、道外の視聴者に向けて次のように語りかけていた。 「この大規模な停電によりまして、テレビやラジオで情報を得られない人が多くいます。情報がないと、不安や怖さが増します。北海道の揺れが強かった地域に、家族や友人、知り合いがいる方、メールやSNSなどでライフラインや被害の情報、注意点などを送ってあげてください。そういう面では、北海道以外の地域では関係のなさそうな、スーパーの営業情報や鉄道・バスの運行情報などを全国放送で伝えることにも重要な意義があったのかもしれないが、停電が復旧した後は、もう少し、全国向けとローカル放送でそれぞれ伝える内容を選別し、かつ、新たな情報だけがすぐに伝わるように工夫をしてほしかった。 このことで思ったが、NHKでは大規模災害発生時は、どうやら、全国放送のスタッフによって取材され、全国一律で放送されているようである。局地的な豪雨などが起こっても、現地の放送局で取材できる範囲は限られているようだ。熟練した専門のスタッフを配置し機動的に対処するという点でそれもアリだとは思うが、例えば、西日本で豪雨災害が発生し、同じ日に東日本で強い地震が起こったというような場合は、当然、それぞれの地域での被害状況や安全対策を重点的に伝える必要があるだろう。そういう場合は、全国一律の放送ではなくて、東日本と西日本で異なる内容の放送をするべきだと思うが、それが可能な体制になっているのかどうかは分からない。 あと、これは全く別の話題になるが、民放のワイドショー番組などでは、自然災害の中でも極端な部分だけを取り上げる傾向がある。救出を待つ家族に「今のお気持ちは?」などと尋ねるケースもよくあるが、悲嘆にくれているご家族を追い回すようなことだけは止めてもらいたい。 |