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【小さな話題】 最近気になるナレーションの抑揚 最近、NHKのスペシャル番組(グレートトラバース、グレートネーチャー、コズミックフロント、NHKスペシャルの絶景紹介番組、科学番組...)で、ナレーションの抑揚が以前とは変化していることに気づいた。その特徴を言葉で表すことは難しいが、世界遺産紹介番組の語りをつとめておられた腹筋善之介さんの抑揚に似ている気がする。 ナレーションの抑揚は時代によって明らかに変化しており、例えば、私が子どもの頃によく見た新日本紀行とか、2000年〜2005年に放送されたプロジェクトX〜挑戦者たち〜などはそれぞれ特徴的な抑揚が使われている。これはニュース番組のアナウンサーの語りについても言えることだ。 最近の変化は、特定個人の語りの特徴というより、誰かが「こういうしゃべり方をしなさい」と指示しているかのように共通性がある。場の雰囲気を盛り上げる効果があるようにも思える一方、多用されると大げさな表現であるような印象を受けてしまう。 ちなみに、大学の講義の時のしゃべり方にも時代の変化がある。もっともこれは、配付資料に基づく講義から、パワーポイントのファイルをスクリーンに投映する講義が多くなったことにも原因がある。配布資料中心の授業では教員も学生も手元の資料に視線を向けているが、スクリーン投映型の授業では、教員も学生もスクリーンのほうを向く時間が多い(教員は学生のほうを向いて授業をすることが推奨されているが。) しゃべり方は教員によりマチマチであるが、やたらと語尾を上げたり、「まあ」、「あのう」、「ええと」を頻発させる人もおられる。私自身も「まあ」、「あのう」、「ええと」を使うことが多く、できる限り減らそうと努力してきたが、けっきょく最終講義の場でもゼロにすることはできなかった。 |