じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 12月4日の岡山は、最高気温20.6℃、最低気温は14.8℃という暖かさになった。12月の記録としては、最高気温は観測史上4位タイ、最低気温は観測史上1位にランクされた。またこの日の平均気温は16.9℃であり、表には掲載されていないがおそらく史上1位と思われる。

※下の写真は、この暖かさの中で咲く農学部農場のヒマワリと、本部棟入口付近の菜の花。

2018年12月4日(火)



【小さな話題】

アメリカ人の平均寿命と薬物乱用

 11月30日のモーサテで、アメリカ人の平均寿命が短縮しているという話題を取り上げていた。ネットで検索したところ、アメリカ人の寿命については、以下のような記事が目にとまった【長谷川により一部改変。出典省略】
  • アメリカ疾病予防管理センター(CDC)傘下の国立保健統計センター(NCHS)の最新調査結果によれば、アメリカ人の平均寿命は78.6歳となり、2015年の78.7歳から0.1年短縮。男性で寿命の短縮化が進行しており、2015年の76.3歳に対し2016年は76.1歳と0.2年縮まった。女性の平均寿命は、2015?16年ともに81.1歳で変わらず。
  • アメリカでは、薬物の過剰摂取による死者数の急上昇と「自殺の増加」により、2017年に、「アメリカの平均寿命が下がった」。【これらの死因は】「徐々に」ということではなく「2015年頃から急上昇した」
  • 米国人の平均寿命は2016年時点で78.7歳と、世界195カ国・地域中43位だった。
    米ワシントン大学の保健指標評価研究所(IHME)が最近発表したデータによれば、40年までに米国人の平均寿命は1.1歳しか伸びない見通し。79.8歳と、64位に大きく順位を落とすという。

 高所得国のアメリカ人の寿命がそれほど高くない原因としては、こちらや関連記事を総合すると、
  • 肥満問題(アメリカでは、肥満が原因による生活習慣病が死亡原因全体の約4割を占めている)
  • 薬物乱用(アメリカでは、フェンタニルというオピオイドが過度に蔓延)
  • 医療費が高い(国民皆保険でなく、多少の体調不良では病院に行かないため早期発見が遅れる)
  • 地方での自殺の増加(地方では60%近い家庭が銃を保有していて都市部より銃が入手しやすい)
 こうしてみると、日本では肥満の程度はそれほど極端ではないし、薬物乱用は規制されているし(ニコチン依存者への禁煙支援はまだまだ不十分であるが)、医療保険制度は何とか維持できているし、銃の保有は禁止されており、明らかに日本のほうがすぐれていることが見て取れる。

 上記のうちオピオイド乱用の問題は、死亡原因としてだけでなく、労働参加率の低下としても深刻であるという。ブルーバーグ(2017年7月21日付)に
ペンシルベニア州ジョンズタウンで工場を経営するビル・ポラチェク氏は数年前、機械工と溶接士の採用候補者を100人に絞ったところ、犯罪歴がある、あるいは薬物検査で陽性反応が出た候補者が半数を占めた。
という。幸い、日本では、ニコチン依存者の離席・喫煙による作業効率低下はあるものの、オピオイドの影響は出ていないようだ。
 明らかに有害で依存性のある薬物については、まずは法的に取り締まりを徹底することが肝要だが、より根本的には、薬物に頼らざるを得ないようにストレスの無い環境をつくることが大切だ。また、どうあがいても恐怖や不安をコントロールできる範囲は限られているので、ACTで言われているように、コントロールではなく「受け流す」という姿勢を身につけることも大切であろう。