Copyright(C)長谷川芳典 |
「Yahoo!ブログ」が12月15日をもってサービスを終了した。私自身もかつてはYahooのサイト(旧ジオシティーズ)でWeb日記を執筆してきたが、こちらは2019年3月31日にすでに終了しており、私自身は全く影響を受けないが、アンテナ経由で拝読していた5つほどのブログが12月16日から一斉に削除されてしまった。こういう形で、個々人の人生にかかわる貴重なネット遺産が消えていくのはまことに残念なことだ。
なお、過去の記録はhttps://archive.org/index.phpで「復刻」することもできるが、アクセスの少ない個人ブログはデータ収集の対象になっていないようである。 |
【連載】関係反応と #関係フレーム をどう説明するか(51)専門書、入門書で取り上げられている事例(8)刺激等価性研究(1) 少々脱線するが、今回から、刺激等価性研究に関して、いくつかの角度から考察したいと思う。 まずは、
ここで「音声刺激」というのは、訓練者がモノの名前を口に出して発声することであり、「音声反応」というのは、参加者がモノの名前を自分で発声することである。武藤(2006、42ページ)はこの点について、 このSidman(1971)では当該のネットワークに音声反応が含まれるため,純粋な<刺激←→刺激>を取り扱うことができるようになったとは言い難い。その後,様々な研究が蓄積され(山本,1992を参照),<刺激←→刺激>関係のみでも扱えるような「刺激等価性(stimulus equivalence)」の定式化が行われた(Sidman,1990)。と説明している。 確かに、音声反応は刺激ではない。また、人間以外の霊長類は発声器官上の制約から言葉を喋ることができないので、例えば、人間以外の動物でも刺激等価性が派生されるのかどうかを検討しようとしても、音声反応を求めるような実験で刺激等価性が成り立たない結果が得られたとしても、それが、関係反応が派生しないための結果なのか、単に発声器官上の制約にあるのか、区別できなくなってしまう。 じっさい、チンパンジーのアイを対象とした山本(1990,Annual Bulletin of PBD, 30)の研究1では、
なお山本(1990)の研究2は自閉症男児が対象で、
このように、「純粋な<刺激←→刺激>」を検討するという目的では音声反応を含めない条件が用いられるようである。 とはいえ、恣意的に確立された関係反応が言語行動の基盤になるのかどうかを検討するということになれば、音声刺激や音声反応を含めた検討は不可欠となる。なぜなら、
次回に続く。 |