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大相撲三月場所が、コロナ対策のため、大阪から両国国技館に会場を変更して始まった。今場所の見どころは、照ノ富士の大関復帰、横綱白鵬(36)が復活できるのか、といった点にあるようだ。 写真はたまたま写った1シーンだが、土俵以外で注目されそうな話題を象徴しているように見える。 |
【小さな話題】スゴい!オオウナギ 3月14日放送のNHK「ダーウィンが来た!」で、 「大スクープ!怪獣のような巨大ウナギが陸で狩り」 という話題を取り上げていた。 登場したのは、オオウナギと呼ばれる世界最大級のウナギの仲間。私自身は、たしか、鹿児島県の池田湖で展示されているのを見た記憶があるが、とにかく大きく、全長2メートルにも達するという。ネス湖の「ネッシー」もどうやらオオウナギを見間違えたものであるようだ。 スゴいと思ったのは、「陸へとはい上がって獲物を襲う」という映像。オオウナギは皮膚呼吸ができるので体が湿ってさえいれば、しばらくの間は陸上でも移動できるという。かつて魚類が両生類に進化する過程もそんなものだったのだろう。 オオウナギがカニを銜える際には、カニのハサミから目を守るために、瞼が閉じるような映像も映し出されていた。しかし、魚は、フグの仲間などの例外を除いては瞼が無いと言われている。番組では「まだ分かりませんが、眼球を奥に引っ込めて目を守っているようなんです」と説明されていた。 番組ではまた、「オオウナギはどうして陸上のカニの居場所がわかる?」という謎について、オオウナギは鼻先に魚類トップクラスの嗅覚器官があり、陸上に上がっても地面に顔をくっつけて獲物のニオイのあとを辿ることができるという。また、魚のニオイのする液体を川に流すと、下流から、ニオイの発生源に向かってオオウナギが近づいてくる実験が映し出された。この実験は20回以上やっても100%確認できたという。 専門的なことは分からないが、嗅覚だけを頼りに目的にたどり着くためには、単に「ニオイを感じる」という閾値だけでは不十分であり、
人間は視覚優位の動物であるゆえ、人間以外の生き物を観察する時にも、どうしても「視覚的」に行動を観察してしまう。しかし3月12日と3月13日に取り上げたクモの場合もそうだが、人間以外の動物は、全く違った次元で世界を捉えており、目だけで観察した行動モデルではうまく説明できない可能性がある。今回のオオウナギの場合は嗅覚優先であったが、デンキウナギの場合は電気も使われるし、磁場や超音波を手がかりにする動物もいる。宇宙の構造は、見た目の可視光だけでは捉えられない。視覚に頼らずに世界を把握する力を磨くことも大切かと思う。 |