じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 4月6日の19時16分から19時23分頃、国際宇宙ステーションが岡山県のほぼ真上を通過した。北西の低い空に現れ、ぎょしゃ座のカペラの近くから天頂付近(82°)を通過し、19時23分頃、南東の低い空で薄雲に隠れた。明るさは天頂付近通過時にはマイナス4〜5等級に達するぐらいに見えた【私の目測によるため不確か】。
 写真上は、北西の空、カペラの近くを通過するところ、写真下は、天頂付近から南東の空に向かうところ。動画撮影を試みたが、デジカメを固定していなかったため、光点がゆらゆら揺れるような映像しか撮れなかった。

2021年4月7日(水)



【小さな話題】歴史秘話ヒストリア「最終回スペシャル」その1

 3月17日に放送された歴史秘話ヒストリアの最終回を録画・再生で視た。

 ウィキペディアのリンク先によれば、この番組の放送期間は2009年4月1日から2021年3月17日までのおよそ12年間、放送回数は417回というから、たいへんな長寿番組である。自然科学の研究と異なり、過去の出来事が有限であるため、しだいにネタが限られてくる宿命にあると思うが、よくぞこれだけの話題を提供することができたと、改めて感心してしまう。
 もっとも、過去の出来事が有限であるとはいえ、観点を変えたり、新たに古文書や出土品が発見されたりすれば、それなりの新しいネタも生まれてくる。また、12年も続けば、視聴者層も換わってくるため、例えば、信長とか家康を繰り返し取り上げたとしても飽きられないという面もあるかもしれない。

 最終回スペシャルでは、「大発見」、「ブーム」、「新説」という3つのテーマから、過去に放送された番組を概観した。

 まず「大発見」に関しては、
  1. 2011年、長崎沖で、元寇の大型船の遺構が発見された。
  2. 2015年、葛飾北斎の幻の肉筆画の所在が明らかになった。
  3. 2009年、奈良県・纏向遺跡で、当時(3世紀前半)の日本の中では最大の床面積を誇る建物の遺構、当時の儀式に使われたと推定される大量の桃の種、呪術に使われたと推定される、幻覚作用をもたらす麻の種、九州北部から関東に至る地域から献上されたと推定される土器などが発見された。
 このうち、3.については、魏志倭人伝に記された邪馬台国が、九州ではなく大和地方に存在していたことを強く示唆するものであるが、番組では「所在地をめぐる論争はこれで決着したわけではない。更なる発見が期待される。」と結んでいた。

 魏志倭人伝についていろいろな論争があることは承知しているが、私自身は、そもそも魏志倭人伝が当時の日本の様子を正確に伝えていたのかどうか、疑問を持っている。邪馬台国論争というと、魏志倭人伝の記載が100%正しいことを前提として、各所の遺跡や出土品がどれだけ記載に適合するのか、辻褄を合わせているような印象を受けてしまうが、マルコポーロのジパングの話からも明らかなように、伝聞に基づく記述は大きくゆがめられる恐れがある。
 いずれにせよ、古代日本のありようは、出土品などの証拠を積み重ねていくなかで明らかにされていくべきであって、初めから「邪馬台国ありき、卑弥呼ありき」という前提で謎解きをめざしていくのは本末転倒である。3世紀における日本の勢力図や文化が、伝聞を通じて、邪馬台国や卑弥呼といった物語にどのように創作されていったのか、という観点から分析するべきかと思う。




 続く「ブーム」のテーマでは、
  1. 呉座勇一『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』が2016年に、歴史書としては異例の50万部発行。
  2. 2019年、大阪の百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録され、古墳ブームが起こる。
  3. 兵庫県・竹田城の絶景や、2015年に平成の大修理を終えた姫路城などをきっかけとした城ブーム。
  4. 2009年の新語・流行語大賞の1つになった「歴女」。仏像、戦国武将、城、古墳などに続き、最近では、オンラインゲームの『刀剣乱舞』の影響などから、日本刀も、歴女の人気になっている。
 私自身は、上掲のブームについてはあまり関心を持ったことがなかったが、姫路城の平成の大修理については、大修理と、修理完了後の様子を直接、自分の目で確かめることができた。

 次回に続く。