じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



08月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る



 岡大構内を歩いていたところ、職域接種会場入口の「本日のワクチン接種は中止です」という張り紙が目にとまった。厚労省のリストには含まれていないが、岡大の公式サイト(第2報)には、
厚生労働省からモデルナ社製のワクチンの3つのロット番号の使用を見合わせるとの発表があり、本学のワクチン接種会場で使用したワクチンのロット番号を調べたところ、ロット番号3004734、3004956の2ロットを使用していることが判明いたしました。該当するロットを使用したのは8月18日以降に接種を受けた4,810名の方となります。
 上記の2ロットにつきまして、現在の情報としては異物混入の認められたロットと製造ラインが同じであるため、念のために使用を見合わせることとなっています。このロットの製品での健康被害の報告はありません。また、他会場で異物混入の認められたロット番号3004667は本学では使用していません。
と記されていた。
 モデルナの異物混入については、TVニュースで、「ワクチンは無菌状態で製造され、かつ、筋肉注射なので異物が血管内に入ることはないから安全だ」というような釈明を耳にしたが、金属粒子が筋肉に注入されたあとどのように排出されるのかを説明してもらわないと安心できない。

 あと、これとは別の話題になるが、こちらのニュースによれば、東京都が若い世代を対象に渋谷に設けた新型コロナウイルスのワクチン接種会場に初日の27日、想定を大幅に超える人が訪れたため、都は開始時間を待たずに受け付けを終了しました。このニュースで驚いたのは、接種会場で想定していた人数がわずか200人(追加の対処で300人)ときわめて少なかったことだ。1400万人の東京で、1日あたりわずか200〜300人だけに接種しても、集団免疫というからは焼け石に水で、感染防止のアリバイづくりのためにやっているとしか思えない。また当局は、多数のたちが集まったことについて「想定を大幅に超える人数」と反応していたそうだが、何を根拠に「想定」していたのか大いに疑問。行き当たりばったりの対策であるとしか思えない。担当者のご苦労には敬服するが、思い込みに頼らず、しっかりとしたデータに基づいて実施してもらいたいものである。
※もう1つよく分からないのだが、受付開始が正午からというのに、中には午前1時から並んでいた人もあり、当日の午前4時には15人、朝7時半には300人の行列ができていたということ。行列による密集リスクに加えて、熱中症の危険も大きい。自分の健康を第一に考える人であれば、こんなに長時間並んだりはしないはず。一番乗りを目ざすわけでもあるまいに、なんでこんなことをするのだろう?

2021年8月28日(土)



【連載】ダーウィンが来た!「選 知ってびっくり!カタツムリ大研究」その2

 昨日に続いて。 8月23日にNHK総合で再放送された表記の番組の備忘録と感想。

 番組の後半ではまず、「人の暮らしに役立つカタツムリ」として、
  • カタツムリロボット:足を後ろから前に縮めながら移動するというカタツムリの動きを真似したロボットで、高層ビルや飛行機などの点検作業への応用が期待されている。
  • 外壁用のタイル:カタツムリの殻は表面の小さな溝にあり、水が入ると汚れが浮いて落ちやすくなる。これを応用し、水で洗い落とせる外壁用のタイルが開発されすでに実用化されている。


 番組の終わりのところでは、文部省唱歌の「かたつむり」の歌詞にある、

●角出せ、槍出せ、頭出せ

の「槍」がどこにあるのかが説明された。槍の正体については諸説あり、私自身も、「角=大触覚」、「槍=小触覚」ではないかと思っていたが、番組では、交尾をする際にお互いを刺す「恋矢(れんし)」であると説明された。カタツムリは雌雄同体であり、互いに長い管を絡ませて精子を交換して受精する。そのさい恋矢で刺されると受精しやすくなるという。
 ネットで検索したところこちらにより詳しい情報があった。
カタツムリには、雌雄同体のグループと雌雄異体のグループがある。そのうちラブダート【恋矢】を突き刺すのは、雌雄同体のカタツムリの一部。ダートはカルシウムでできていて、カタツムリが相手の体にこれを刺すと、ダート表面に塗布された特殊な分泌液が送り込まれ、卵子を受精させるのを手助けする。
もっとも、リンク先によると、東北大の研究チームは、交尾の際にダートで刺された個体は、卵の数が減少し、さらに、実験開始からの平均生存期間である60日の4分の3ほどしか生きないことを明らかにしたという。これは「ダートを刺すことで相手を操作し、交尾後の短期間は自分の精子の受精成功率を高めることが大きなメリットになるため」として説明できるという。そう言えば、すぐには思い浮かばないが、交尾が成功したあとにメスの生殖能力を封鎖することで、自分のDNAを受け継いだ子孫のみを殖やそうとうるような行動は、他の生物でもあったとと記憶している。

 以上が番組後半の内容であったが、カタツムリが雌雄同体であることは、小学生の頃、確か、日進(日本進学教室)の長谷川弥平会長講演で、カタツムリの繁殖の仕組は長いこと謎であったが、カタツムリを飼育していた小学生が、ある時、「2匹のカタツムリが相撲を取っていた」ことを発見、これがきっかけとなって雌雄同体による繁殖のメカニズムが解明された【なので、諸君も頑張れ」】というようなお話をされたと記憶している【←あやふやな記憶のため、もしかしたら全く別の、松沢小学校で行われた理科教室で聞いた話だったか、あるいは中学入学後の校長先生の講演だったかもしれない】。小学生が最初に発見したというのはちょっと怪しいが、自分もそういう発見をしてみたいと奮い立たされたことがあった。雌雄同体のデメリットについてはこちらに解説があり、
  1. 自家受精も可能だが、欠陥遺伝子が爆発的に蔓延するリスク
  2. 生殖細胞はエネルギーを食うため、両方持ち続けるのは効率が悪い。
  3. 特に哺乳類の場合、妊娠すると機動性が落ちる。子育てにおいても、夫婦のほうが効率的。
というように説明されていた【長谷川による要約】。同じ記事の後半には、カタツムリが雌雄同体であることのメリットとして、カタツムリは活動期間が短いため、せっかく会えた個体が同性であるよりは雌雄同体であったほうが繁殖しやすいというようなことが書かれてあった。もっとも、今回の番組よればカタツムリは他の生物に比べると移動能力に優れており、雌雄異体であっても十分に交尾できるように思われる。
 あと、2匹のカタツムリが相互に受精した場合、自分の精子の受精によって誕生した個体(相手が産んだ個体)と、相手から精子を貰って自分が産んだ個体という2種類の子どもが生まれる可能性があるが、どちらが自分のDNAをたくさん受け継いでいるのか、大いに興味がある。