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12月19日、近隣の運動公園周辺で山陽女子ロードレース(ハーフマラソン、10km)が行われた。ウォーキングを兼ねてこのレースは毎年観戦しているが、昨年は新型コロナ感染防止対策のためスタジアム内での観戦禁止となったため、スタジアムに足を運んだのは2年ぶりであった。
例年と異なり、入口で名前や年齢、連絡先電話番号を記入し、入場券を受け取って観客席に入るという対策をとっていた。入場券は入場後に使わないので紙のムダのような感じがしたが、どうやら、再入場の際の手間を省くための対策のようだ。 もっとも、観客の数は、選手のゴール時点でもまばらであり、密集による感染のリスクは低いように見えた【なお、岡山県内では12月19日現在、新規感染確認者数は5日連続でゼロとなっている】。 |
【連載】サイエンスZERO「鳥の言葉を証明せよ!“動物言語学”の幕開け」(3)ルー語の実験 12月17日に続いて、12月5日に初回放送された、 「鳥の言葉を証明せよ!“動物言語学”の幕開け」 についての感想・考察。 放送では続いて、「シジュウカラ語」の「文章」や「文法」の話題が取り上げられていた。 「文章」としては、まず、 ●「警戒(ピーッピ)」」、「集まれ(ヂヂヂ)」を組み合わせた「ピーッピヂヂヂ」は意味が通じるが、録音合成して「ヂヂヂピーッピ」のように並び替えると意味が通じない。 という例が挙げられていた。これについては「又吉直樹のヘウレーカ」や「ダーウィンが来た!」に関連して感想を述べたことがあった。その際には、 ●「ピーッピヂヂヂ」は単語の組み合わせではなくて固有の別の単語ではないのか? という素朴な疑問を述べたところであるが、今回は、ルー大柴さんの使う「ルー語」にヒントを得たという実験が紹介されていた。 ルー大柴さんは、日本語の文章の一部の単語を英単語に置き換えたケッタイなルー語を喋る芸人として知られている。「トゥギャザーしようぜ!!」はその代表例であるが、多くの日本人が初めて聞いてもその意味が分かるは、日本語の文法を理解しているためと考えられる【←もっとも、私は「集まろうぜ」という意味だと思っていたが、「一緒にしようぜ」が本当の意味らしい】。このほか「逆鱗にタッチ」や「藪からスティック」も紹介された。でもって、鈴木先生の実験では、同じ森に暮らす鳥たちが、異なる種類の鳥たちの鳴き声を理解している【←利用している】ことに注目し、 ピーツピ(シジュウカラ語の「警戒せよ」)+ディーディーディ(コガラ語の「集まれ」) というルー語を合成し、シジュウカラに聴かせたところ、シジュウカラたちは集まってきて天敵を追い払うような行動を示したという。また、語順を入れ替えた「ディーディーディ、ピーツピ」には反応しなかったという。 この場合、シジュウカラ自身が「ピーツピ、ディーディーディ」と鳴くことはないので、合成された音声はシジュウカラたちにとって初めて聞いた「文章」ということになる。にもかかわらず、シジュウカラ語の「ピーツピ、ヂヂヂヂ」と同じように反応できたとなれば、これは、何らかの「文法」を理解できたことの証拠になる。 ということで、シジュウカラ語についてさらに分析が進んできたことは素晴らしいことであると思う。もっとも、上記の例ではコガラ語の「ディーディーディ」はシジュウカラ語の「ヂヂヂ(ヂヂヂヂ?)」と音色やリズムがよく似ているので、刺激般化という可能性もまだまだ否定できないように思う。 あと、「ピーツピ(ピーッピ?)」の意味が「警戒せよ」とされているが、もしかすると英語の「Attention Please」やロシア語の「Внимание」というように注意を喚起するだけの機能をもつ音声である可能性がある。この場合、「ピーツピ(ピーッピ?)」を先に耳にすれば、その直後の鳴き声に耳を傾けるが、逆順で「ヂヂヂヂ」のあとに「ピーツピ」と鳴いても「ヂヂヂヂ」の時点ではまだ鳴き声に注意を向けていないので、集まれという声が伝わらないと考えることもできるだろう。 次回に続く。 |