じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 ベランダのアマリリスが、なぜか今頃になって開花した。昨年、球根セットとして購入したもので、昨年は6球のうち4球が開花した。今回は、6月に開花しなかった1球と思われる。おそらく「ヒッペアストラム・マスターマインド」。

2022年8月19日(土)



【小さな話題】最近視聴したYouTube動画「巨大数」(7)

 8月18日に続いて、

宇宙がいくつあっても足りない数!?「巨大数」を紹介【ゆっくり解説。2021年11月7日】

についてのメモと感想。今回で最終回。

 動画では、続いて、コンピュータに関する巨大数が紹介された【一部、昨日と重複】。

 まず、ローダー数は、「巨大数ベイクオフ大会」にエントリーした、512バイト以内のC言語プログラムで優勝した作品が出力する数であり、グラハム数やチェーン表記を軽く超え、計算可能な(関)数の中では最も大きな数と言われている。

 もう少し数学的に意味のある巨大数としては、グラフ理論に関する「TREE数列/サブキュービックグラフ数」というのがあるという。ネットで検索したところこちらに興味深い解説があった。難解だが、隠居人的には楽しめそうな内容である。

 以上で言及されてた指数や階乗、アッカーマン関数はコンピュータが頑張れば計算できる大きさである。またグラハム数やローダー数は、現実にはコンピュータでは計算できないが、理論的には有限のメモリとCPUがあれば計算できるという。しかしそのいっぽうで、急速な増大が有限のメモリーとCPUの能力を超えてしまうために「計算不可能」とされている関数や巨大数も存在するという。その例としては、
  • ビジービーバー関数:チューリングマシンの理論を利用した関数であり計算不可能であることが証明されている。
  • ラヨ数:10100個未満の一階述語論理記号を用いて表されるどんな数よりも大きい最小の数として定義される。
  • ふぃっしゅ数バージョン7
  • ビッグフット
  • リトルビッゲドン
  • 巨大数庭園数
このほかにもクサイ関数という計算不可能関数があるという。また上記の多くは、ラヨ数と同様に集合論の考えを利用して定義しているものであるという。

 動画のまとめのところでは、巨大数自体よりも、そういった数を生み出す関数そのものの大きさのほうが重視される。そういった「関数の強さ」を比較する方法としては、「急増加関数」や「ハーディー階層」があるという。急増加関数では、
  • f0(n)=n+1
  • f1(n)=2n
  • fm(n)>2↑m-1n
などと表記され、アッカーマン関数は「fω(n)>2↑n-1n、グラハム数は「fω+1(n)>グラハム数」、 というように評価されるという。もっともこの急増加関数をもってしてもTREE数列やローダー数は大きすぎて不明となるそうだ。




 ここからは私の感想・考察になるが、この連載の1回目で述べたように、そもそも数(実数)は無限に存在しており、宇宙最大の数というのは存在しない。問題となるのは、あるとてつもなく大きな数が重要な意味を持っていた時、その数値をどうやって他の人に伝えるのかということだ。また、数値そのものが分からなくても、どちらが大きいかというような比較ができればそれなりに有用であるかもしれない。

 このことでふと思ったが、厳密な意味で数を表すというのは、ある記号を数に対応させることである。その意味では、十進数で表される数は「0」から「9」までの10通りとなる。但し、漢数字では「十」、「百」、...「億」、「兆」、...というようにもっと大きな数を表現できるし、英語のmillion、billionなども、文字列に対応した数を表現できる。
 これに対して、例えば「21」というのは数そのものではない。十進数であれば「21」というのは「10×2+1」という意味であって、そのような計算をした上で初めて意味をもつことになる。【もっとも何度も何度も「21」を目にするうちに、「21」そのものが1つの記号として数の21に1対1対応するようになるかもしれないが。】
 そうなってくると、分数というものが数そのものなのかはあやしくなってくる。「2/3」というのはあくまで「2÷3」という計算をしなさいという数式であって数そのものとは言いがたい。これは指数表記や矢印表記などすべてについて言える。

 もう1つ、今回の動画では巨大数に目が向けられていたが、その対極である「微小数」にも何か特別な性質があるように思われる。もちろん、より大きな巨大数が表現されれば、その逆数はよりゼロに近づいていくが、自然界あるいは数学で、微小であればこそ意味のある数というものは無いのだろうか。

 ネットで検索したところ、こちらに微小数の一覧が紹介されており、例えば「初期宇宙の特異点が我々の宇宙と全く同じに発展する確率」などが紹介されていた。このほかヒッチハイク数というのも興味深い。ま、直観的に考えても、何かの組合せの数が巨大になればなるほど、そのうちの1つとなる確率は微小になっていくことは理解できる。このほか、少し前に微小数と二元数の関係について何かの記事を見かけたような気がするが、何の話であったか思い出せない。