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【小さな話題】実は別解があった!?入社試験の数学・論理クイズ(2)男の子が生まれるまで子供を作る場合の男女比 昨日に続いて、YouTube「ナゾトキラボ【IQ & 謎解きチャンネル】の、 ●実は別解があった!?入社試験の数学・論理クイズに挑戦!(2022年8月20日公開) についての感想・考察。この動画では、入社試験として有名な3つの問題を、「平凡なヒヨコイ」、「秀才のサギゾウ」、「面接官が想定していた解法の斜め上をいく親鳥さん」がそれぞれどのような解答をするのか、という趣向であった。 2番目の問題は、 ●ある国の人々は皆、男の子だけを欲しがりました。なので、どの家族も男の子が生まれてくるまで子供を作り続けました。男の子が生まれれば次の子供は作りません。さて、この国の男の子と女の子の人口比率はどうなりますか? であった。 これについてヒヨコイさんはギブアップ。サギゾウさんは、まず前提として、男女が生まれる確率は1/2であるとして、
興味深いのは、親鳥さんの解答であった。要約すると、 コウノトリが赤ちゃんを運んでくるモデルを考える。コウノトリはあらかじめ運ぶ赤ちゃんを一列に並べてストックしている。この場合の男女の比率はストック全体では限りなく1:1に近づく。夫婦から赤ちゃんが欲しいという要請があると、コウノトリは先頭から順番に赤ちゃんを親元に運んでいくが、同じ家族のもとへは男の子を運ぶまで続けられる。これは、赤ちゃんの列を男の子の直後で区切るという操作であるが、列全体の男女比は1:1であるから、どのように区切っても全体の男女比が1:1であることに変わりはない。というものであった。 私自身が少々引っかかるのは、コウノトリがストックしている赤ちゃんの列と、各家庭で生まれる子供の列を重ね合わせた列が同一であることをどう証明するのか、あるいは列のパターンは入れ替わっても男女比が変わらないことをどう理由づけるのかといったことにあった。 私なりに考えてみるに、コウノトリがストックしている列というのは二項の乱数列であって、n番目が男であるか女であるかということは、n+1番目にはいっさい影響を与えていない(独立事象)。これはまた各家庭の男女の列についてもあてはめることができ、要するに二項乱数列の一部を切り取ったものと見なすことができる。但し、各家庭の列は必ず「男の子」で終わることになっており、ランダムに切り取った列とは必ずしも言いがたい(ランダムに切り取った場合は、列の最後が「男の子」になる確率と「女の子」になる確率は半々になる)。なのでいま述べた理由付けでは少々不足しているように思われた。 ネットで検索したところ、こちらには、男女それぞれの人数の期待値を面積に置き換えて、級数の和がいずれも1×1の正方形の面積に近づくことを示した分かりやすい図が示されていた。これなら直観的に理解できる。 またこちらではコウノトリがストックした列と、各家族に運ばれる赤ちゃんの対応について「各家庭は、男の子が運ばれてくるまで、コウノトリにもう一人くださいと要請することができる」という表現を使っていた。このように言い表せば、二項乱数列を切り取る喩えが成立するようにも思われる。 ところで、もし実際に、このような制限が行われたとしたら、その国はどうなるだろうか。上記のもとの問題は「この国の男の子と女の子の人口比率はどうなりますか?」であったが、入社試験問題として出題するのであれば、男女比についてではなく、「この国はどうなっていくと思いますか?」とすべきであったと思う。でもって私なりに考えた結末としては、
なお、最後の3番目の問題はフェルミ推定に関するものであったが、ここでは感想・コメントは省略させていただく。 |