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11月21日は、北九州・到津の森公園に行ってきた。北九州に帰省するたびに毎回1度はこの動物園を訪れている。前回と異なるのは、
※詳細なアルバムは帰省から岡山に戻った後、楽天版に掲載する予定。 |
【連載】太陽系の基本知識を更新する(27)冥王星ほか(4) 昨日に続いて、NHK「コズミックフロント」: ●「冒険者たちが語る 太陽系のヒミツ」 についての備忘録と感想。今回で最終回。 放送の終わりのところでは、ニュー・ホライゾンズの探査による数々の成果が紹介されていた。 この探査が提案された頃、「冥王星秘密結社」メンバーのフラン・パジェナルさんは1990年のスピーチで やりがいのある刺激的なテーマは私たちの周りに数多くあります。しかし、いま最も優先すべきは、ボイジャーができなかったことへの挑戦です。ボイジャーは冥王星には行っていません。...目的地に到達しデータを得るまでに14年もかかるミッションです。しかも冥王星への接近はわずか30分、数枚の写真しか撮影できないでしょう。ボイジャーのように多くの観測機器を搭載したくさんのデータを得ることはできません。でも衛星トリトンで撮影されたわずか9枚の写真を思い出してください。より多くを望むのではなく、わずかなデータでもインパクトの高い探査を目指すべきなのです。ニュー・ホライゾンズは、観測機器の搭載は最小限に抑えられ、また冥王星の近くを短時間通過するだけであったが、画期的な発見をもたらした。まさにスピーチの内容通りであったと言えよう。 ニュー・ホライゾンズから送られた1枚の写真からは以下のような地形が読み取れた。
ニュー・ホライゾンズは冥王星接近後、カイパー・ベルト天体の1つアロコスを探査した。冥王星からはおよそ15億kmも離れていた。アロコスは2つの球体が雪だるまのように合体した形をしており、惑星誕生の初期の姿を示しているという。なお、ウィキペディアによれば、アロコスは後に正式に決定された呼称であり、探査時点では「ウルティマ・トゥーレ」(Ultima Thule)という愛称で呼ばれていた。その後、新たな観測対象に接近し、最終的には太陽系から離脱する予定となっている。 冥王星探査が実現した背景には、当時まだ冥王星が太陽系の惑星の1つに分類されていて、かつ唯一の未探査惑星であったということが大きく関係しているように思われた。学術的には価値のある探査であっても、もし計画段階で冥王星が準惑星に格下げされていたら、約7億ドルという予算は配分されなかった可能性が高い。 また、あくまで結果論であるが、冥王星が凍てついた氷の惑星ではなくて地質学的に活発な惑星であったこと、もしかして内部に海が存在し何らかの生命の存在まで示唆されるような発見をもたらしたことは、「やはり探査機を飛ばして良かった」という肯定的評価の形成に大いに役立った。もしそうではなくて、のっぺらぼうの氷の天体、もしくは単なるクレーターばかりの岩石惑星であったとしたら、「なーんだ、やっぱりそんなものだったのか」とガッカリしてしまうところであった。 このような新たな発見があったことで、いずれは、冥王星、あるいはカイパー・ベルト天体に向けて新たな探査機が打ち上げられるであろうが(←ニュー・ホライズンズ2号という提案がなされたことはあった)、残念ながら、いますぐに打ち上げられたとしても私の生きている間に目的地に到達できる可能性は殆どなさそう。 |