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岡山・旭川の中州で、土日に2日連続でサプライズ花火が打ち上げられた。居ながらにして眺められるところがありがたい。 なお日曜日の深夜、23時台には12.5ミリの雨が降り、そのあとも時々降水が記録されたが、朝6時半頃には一時的に日が射して、西の空に虹が出現した。 |
【連載】笑わない数学(2)虚数(1)√2が有理数ではないことの証明と『体』 7月25日【翌日以降に連載あり。こちらに一覧あり】に続いてNHK『笑わない数学の話題。今回からは、2022年8月17日に初回放送された、 ●虚数 について取り上げる。なお公式サイトによれば、今年の10月からはシーズン2の放送が開始される。予告されているテーマは、「非ユークリッド幾何学」「コラッツ予想」「結び目理論」「1+1=2」などであるという。それに間に合わせるように、シーズン1の各回を復習しておこうと思っている。 さて、今回の『虚数』の話題では、まず、数の概念の拡張の話題が取り上げられていた。
ここでいったん私の感想・考察を述べさせていただくが、上掲はあくまで、「√2は有理数ではない」ということの証明であって、無理数が存在することを証明したことにはならない。ま、そもそも「存在証明」という概念自体曖昧であり、正確に表現するならば ●有理数の範囲で構築された交換法則・結合法則・分配法則などは、無理数の概念まで拡張しても矛盾が生じない。 ということになるかと思う。ここでいう四則演算の諸法則が成り立つ概念構造(代数的構造)は「体、あるいは可換体」と呼ばれている。尾形さんが実演された「√2は有理数ではない」という証明では、両辺にPをかけたり両辺を2乗したりしているが、証明の中でそういう操作を行うことができるのは決して自明ではない。あくまで、そうした数の構造が『体』であるということを暗黙のうちに仮定していたためと言える。さらに、証明の最終段階では、素因数分解の一意性を前提としている。なおウィキペディアのなぜ素因数分解の一意性は、それほど自明ではないのか?という項目では、1, 5, 9, 13, 17, 21, 25, 29, …という、4の倍数に1を加えた形になる正の整数の全体からなる集合が例に挙げられていた。この場合、たとえば693は、693 = 9 × 77 = 21 × 33 と2つの異なる方法で分解できてしまうので一意ではない【ここで現れる4つの因数9, 21, 33および77は、すべてここでいう擬素数。これらは整数全体の集合では合成数だが、ここに挙げた部分集合の中では、これ以上擬素数の積に分解することはできない】。 次回に続く。 |