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9月14日夜、阪神タイガースが巨人に4対3で勝利し、18年ぶりのリーグ優勝を果たした。 ウィキペディアによれば、阪神タイガースは日本に現存するプロ野球12球団の中では読売ジャイアンツに次いで2番目に歴史が長く1936年のプロ野球リーグ戦開始時からの球団の1つであるが、リーグ優勝6回(優勝回数はリーグ5位)、日本一は僅か1回のみ(12球団中最下位タイ)と、セリーグ6球団がランダムに優勝する場合の確率1/6よりも遙かに少ない。ウィキペディアではまた「リーグ創設(1950年)以降の通算勝率はリーグ2位であり、Aクラス入りしたシーズンも多く安定した強さを誇る」という記述があるが、これは裏を返せば、「上位で優勝争いをすることが多いものの、終盤での競り合いに弱く、あと一歩というところで惜敗し、ファンをガッカリさせることが多い」ことを意味している。 写真は、2003年の夏、ボリビア・アンデスのチャカルタヤ峰(5395m)山頂で阪神タイガース優勝祈願をしているところ。阪神ファンの登山者は他にもたくさんいると思われるのでギネスに登録されるほどではないと思うが、「2003年に世界で最も標高の高いところから阪神タイガースを応援した」というTop10にはランク入りできるのではないかと思う。 なお阪神タイガースはその後も応援していたが、2008年10月に、プロ野球観戦界から引退を決意し、それ以降は、プロ野球中継は一切観なくなった。また、私の規則正しい日課の中では、スポーツニュースが放送される時間帯はテレビを視ていない、もしくは別番組を視ているため、日々の試合結果や各選手の活躍ぶりを知る機会が全く無くなった。 9月14日は、応援するという立場ではなく、皆既日食と同じような稀有な現象を視ておきたいという立場で久しぶりにプロ野球中継(BS朝日)の7イニング以降を観戦したが、タイガース、ジャイアンツとも私が知っている選手は誰一人おらず【←さすがに岡田監督だけは知っている】、なんだか、タイムスリップで別の時代のプロ野球を観戦しているような気分になった |
【連載】笑わない数学(2)虚数(5)−iとは何か? 昨日に続いて、NHK『笑わない数学で2022年8月17日に初回放送された、 ●虚数 のメモと感想。 まず、昨日の日記のところで、 χ3-15χ-4=0 という方程式を取り上げた【「×」と「x(小文字のエックス)」が見分けにくいため、エックスの代わりに「カイ(χ)」を使用した】。 カルダーノの解の公式に直接係数を入れると、三乗根の中に√-1が現れてしまう結果となった。カルダーノはこんなバカなことはあり得ないとして計算を放棄。その計算を引き継いだのはラファエル・ボンベリ(Rafael Bombelli, 1526年 - 1572年)であった。ボンベリは、上掲の解の公式の中に出てきた√-1をそのまま残して式を変形していったところ、最終的に、と記したことについての補足。昨日の日記で「解の公式を適用すれば、χ=−3±√3が導けると思うのだが、」と書いたのはこちらで ●4, −3 + √3, −3 − √3 であることを知っていたボンベリは、... と記されていたことをそっくり転用したものであったが、高校数学を思い出しながら (χ2−15χ−4)=0 に解の公式を当てはめた限りでは、この解は、「−3±√3」ではなく「−2±√3」が正しいように思われた。ウィキペディアの記述が間違っていたのか、それとも私がどこかで勘違いしていたのかは分からない。 いずれにせよ、カルダーノの3次方程式の解の公式を直接当てはめるのではなく、いったん(χ−4)で割ったあとの二次方程式に解の公式を当てはめれば、√−1を経由せずに3つの解が導き出せたはずであり、虚数が必要かどうかという議論にはつながらなかったように思われた。 もう1つ、昨日の日記の最後のところで、 と述べた点についても補足しておく。じつは上掲の二次方程式の解は2つある。1つはiで、もう1つは−iである。よく言われることだが、
ここで1つ疑問となるのは、iと−iはどこが違うのかという点である。そもそも虚数には大小関係がない(順序体ではない)とされている。−iはおそらく、 i+a=0 となるようなaとして定義されていると思われるのだが、そのようなaが存在する(四則演算の諸法則をぶち壊すことはない)ということはどうやって証明するのだろうか。このほか、仮に、 i=−i と決めたらどうなるのかという考えも浮かぶが、この場合は2i=0となって、iはゼロと等しくなってしまうので数学的には面白味がないようだ。念のため、Bingに ●虚数iと別に、虚数−iが存在しても四則演算の諸法則に矛盾が生じないことはどうやって証明できますか。 と尋ねたところ、 虚数 $i$ は、$i^2 = -1$ を満たす数です。虚数 $-i$ は、$(-i)^2 = -1$ を満たす数です。四則演算の諸法則に矛盾が生じないことを証明するには、以下のように考えます。という回答をいただいた【Web表示上、一部特殊記号が使われているが、このWeb日記では表示できない】。 上掲の回答は、矛盾が生じないことを証明したというよりも、複素数における計算のルールを示しているように思われる。要するに、実数部分と虚数部分は独立して計算されるため、虚数部分はiと実数部分の積として表示される。iでくくられた実数部分に四則演算をほどこしても矛盾は生じないので、i2を実数−1に置き換えた時に矛盾が生じなければ全体の演算にも矛盾は生じない、ということなのだろう。 次回に続く。 |